【同人誌感想】永遠を生きるということ『永い夜の物語/四面楚歌』

本・漫画
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2009年に発行された作品の電子書籍版です。

紙書籍のときは二段組だったらしいが電子書籍ではそんなとはなく500頁を超えるすごいボリュームの作品。

輝夜が秘封倶楽部の二人に語る長い長い物語。

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本の詳細・あらすじ

永い夜の物語/四面楚歌

蓮子とメリー、秘封倶楽部の二人は東京にきていた。最近、東京では怪異事件の噂が多い。噂話程度では興味を示さなかった二人だが、つい先日象徴であった東京タワーが崩壊してしまったことを受け本格的に調査をすることにした。

操作に先駆け、二人はとある人物から話を聞くために喫茶店に向かう。相手は蓮子の文通相手で、今回の東京タワー崩壊の目撃者であるという。

そして喫茶店で出会った文通相手―蓬莱山輝夜―は今回の騒ぎの経緯を話し出す。

これは幻想郷の崩壊後も生き残った永遠を生きる少女の物語。

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特設⇒永い夜の物語/四面楚歌

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永遠を生きることの残酷さと救い

すごく優しい物語でした。

老いることも死ぬこともない永遠の命のため、いろんなものから少し距離を置いていた輝夜。月から逃げてきた彼女が地球で長い年月を過ごし様々な出会いと別れを繰り返して少しずつ成長する話です。

これ読んだら輝夜好きなるよ。間違いなく。

 「永遠の命」って漫画やゲームでもよく出てくるけど、独裁者になって世界を牛耳るならともかく誰かと関わって生きていこうとするならほんときついと思う。

 永遠を生きる彼女にとっては、人間の一生なんてわずかなものに過ぎない。作中にも幻想郷での話が出てくるけど、そこは原作よりも時間が経った幻想郷で、霊夢は婆さんになり咲夜もおらず変わらないのは妖怪たちばかりの世界でした。寝たきりなったおばあちゃん霊夢。年くっても霊夢は霊夢のままでしたけど(笑)

そして妖怪たちですら人間よりも寿命が長いだけでいずれ死ぬ。永遠の命を持つ人から見たら人間も妖怪も別れが必ず来るという意味では同じ存在なわけで。

生物に限らず物や世界でさえもいずれは朽ち果てる。しかも自分は常に見送る側。

大好きな人も大嫌いな人も皆等しくいなくなる。

耐えられんよね。

月から地球に来てかぐや姫と呼ばれてたときから数えきれない出会いと別れを繰り返しながら生きている輝夜は、月にいるときにはでてこなかった疑問を抱きます。

永遠とは何か?

最後に提示されるその答えと幻想郷の真実がほんと永遠を生きる者にとっても命に限りある者にとっても救われる答えだったのが良かった。

いずれ喪ってしまうからといって出逢ったことすべてが不幸なわけがない。なぜなら―

ってところはぜひ読んで欲しい。 

幻想郷と科学世紀をそういうふうにつなげるのかーと感心する。それも無理やりじゃなくて、それまでの構成から納得してしまうようなもので、「これで良かった」と思えるものになっている。

全体的に淡々と進むのでページ数の割にはあっさり読める。そして読んだ後は「ああ良い作品だった」と思うはず。

小説なのにPVとかあるんやね

この方の書かれている感想がすごい。自分もこれだけ深い感想を書けるくらい読み込みたい。

てきとーに:『永い夜の物語』

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