C89で買った東方小説。同サークルの「永い夜の物語」と同様に過去作品の電子書籍版です。
四面楚歌の作品で読んだことのある長編小説は「うつつのゆめ」、「永い夜の物語」に続いて3つ目なんだけど、個人的に一番のあたり。レイマリ最高や。
本の詳細・あらすじ
スタードリーム/四面楚歌
ずっとその背中を追いかけてきた。圧倒的な強さを持ち皆からも好かれる博麗の巫女。そんな彼女に追いつくために、ただの人間だった自分は死にもの狂いで箒で空を飛ぶ術を、魔法を覚えた。すべては空を自由に飛び回る霊夢に追いつき肩を並べるために。
しかしどれだけ努力してもその差は埋まらない。終わらない夜の異変の際に彼女と対峙したが、その差は歴然だった。負けるのはまだいい。彼女は幻想郷では最強の巫女だ。でもその辺の野良妖怪と同列に扱われるのだけは我慢ならなかった。
常に先を行く博麗霊夢は振り返る事もなく向き合うこともない。私では敵にさえなれない。
博麗の巫女が真剣に立ち向かうのは幻想郷を脅かす異変のみ。彼女と向き合うためにはそれしか方法がなかった。
「…なぁ、霊夢」「もしも私が、異変を起こしたのなら――」
スタードリーム電子書籍版(四面楚歌)の通販・購入はメロンブックス | メロンブックス
レイマリ好き、いや東方が好きならぜひ読んでみて
めっちゃ面白かった。いやほんと面白かった。
今回四面楚歌は電子書籍で過去作品2作再販という形で、先に読んだ「永い夜の物語」も良かったんですが、それ以上。
何が面白いって登場人物がとても人間臭いのが良い。メインの登場事物は霊夢と魔理沙なので人間臭いっていうか人間なんですが(笑)
でもね。東方って基本的に暗いところは見せないできゃっきゃうふふしてるイメージがあるんですよ。僕がそういう作品にしか触れてないからかもしれませんが。
そりゃみんながワイワイ楽しくやってかつ好きなキャラが可愛いかったらそれだけで良いかもしれませんが、やっぱり物足りない。シリアス大事です。
霊夢と一番仲良くやってる魔理沙は常に明るく振る舞ってるけど、裏では霊夢に追いつくために必死で努力してる。霊夢との差に何度も絶望して諦めれなくて必死でもがいてるけれども、それを霊夢には悟られたくはないから笑顔で軽いキャラを演じてる。
でも心の片隅では霊夢に気づいてほしい、ほんとの自分と向き合ってほしいと思っている。
嫉妬と羨望がぐるぐると渦巻いていてどろどろしてるのが、ほんと人間らしくて読んでて面白い。
しかも悩んでるのは魔理沙だけじゃなくて霊夢もなのがね。彼女の場合は「博麗の巫女」という唯一無二の役割を背負っていて誰にも言えない悩みがある。
霊夢と魔理沙、二つの視点で物語が進むので両者の内面を読み進めていくわけですが、もうお互い好きあってんのにそれぞれごちゃごちゃと悩んでるのが読んでてもうもどかしい。
腹割って話しちゃえよって思うんですが、彼女らの世界で想いを伝えるのに必要なは言葉じゃなくて弾幕です。
弾幕勝負がめっちゃ熱い。
文章表現だけでここまで手に汗握るような弾幕勝負を表現できるのはすごい。
グレイズしても直撃しなけりゃOKとか、スペルカードには制限時間があり、一定時間避け続けれたらOKとか、まるでゲームで自分がその弾幕の相手をしてる気分になります。
特設を見てもらえばわかると思いますが挿絵も素敵ですね。基本白黒の中で赤色がとても映える。
バトルも熱いし感動するしおすすめです。
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