ヤンデル先生の著書「Dr. ヤンデルの病院選び 〜ヤムリエの作法〜/市原 真」をついに読みました。
医療従事者じゃないふつうの人が、「病院や科を選ぶポイント」について書かれています。
僕も医療従事者ですが、それでも自分が体調悪いときにはどこの病院に行ったら悩むので、ヤンデル先生の科選びの考え方はとても参考になりました。
「診察時に自分の症状をどう伝えたらいいか」なども書かれているので、これを読んで内容をざっと頭に入れておくだけで病院にかかるだけでも良い診察を受けられると思いますし、僕ら医療従事者も患者さんがみんなこの本を読んで「いい病院」かどうかを見極めてくると思って働くべきだなと。
子供も大人もいくつになっても病気と無縁でいることは不可能です。そしてかかるならより良いところにかかって適切な診察を受けたいと思うのは当然です。
一家に1冊置いとくべき本じゃないかと思いました。
本の詳細
Dr. ヤンデルの病院選び 〜ヤムリエの作法〜/市原 真
医者が病院を選ぶときには、どういう観点で選んでいるのか。医者ならではの視点のようなものはあるのか…。病全般を知り、病ごとに、どのような対処をしたらいいのかをソムリエのように提案する。【「TRC MARC」の商品解説】
前作『いち病理医の「リアル」』は、Dr.ヤンデルの渾身の問題作! 今回は渾身の一般作! 単なる病院選びの本ではありません。医者初のライフハックです。「科目選び」「Q助活用法」「便利で安くて使い勝手のいい病院」等、究極のメソッドが「ヤムリエ」にあります。「病む前に読む、病んでからも読む」「ワインのようにビョウインを選ぶ」。【商品解説】
専門用語をほぼ使わずめちゃめちゃ読みやすい!
読んでまず思ったのがとても読みやすい。
医師が書いてるって聞くとどうしても「ああしなさい、こうしなさい」っていう指示する感じで書いてるのかな?って思ってたけど、そんなことは全くなかった。
一般人(患者さん)の言い分をちゃんと聞いて「じゃあこういうのはどうでしょう?」って提案するような文章で、読んでて「そういうのならできそう」って思える語り口でした。。
専門用語もほとんど使わず例えがうまいので医療に明るくない人でもイメージしやすいです。(これが一番むずかしい)
誰かに自分の知ってるこもを伝えるときにはこうするのかっていうお手本にしたい。
で、文章もですが内容ももちろんしっかりしてました!これがニセ医学の本も並ぶような棚と同じとこにあって、しかもピックアップされてたんだからすごいよね。
手に取りやすいとこにまともな内容の医療本があるってのがすごい。
そもそも何科にかかったらいいのか
自分の体調が悪くなって、いざ病院に行こうと思っても、いったいどこの病院に行ったらいいのかわからないって人は多いです。かくいう僕も悩みます。
この本で一番ためになったのは「科選び」の部分です。
病院には専門がたくさんあり、いろんな科に分かれています。それぞれの科はどんな症状が出ているときに受診すべきかをざっくり書いているのがとてもわかりやすいです。
眼科とか皮膚科はわかりやすいんですが、内科と外科の違いとか、わかってないままの人も多くいるんじゃないでしょうか。
科の特徴もそうですし、とくに「ちゃらんぽらんな科のみの病院は詐欺師である」と断言してるがとても良かった。
世の中には医師だけど、治療じゃなくて金儲けをするような輩が少数います。
一般的な科名を掲げてないところ(本書72ページより)は詐欺師がいると思って避けておくのが無難と書かれているのが良かったです。
一部に実在する「クリニック」を名乗りながら「科名」を表示せず、「免疫療法をやっています」という施設は、私たちのあいだではかなり有名な詐欺師集団です(そもそも治療とされる行為がいっこうに効きません)(本書74ページ)
ヤジロベー理論がわかりやすい
ダイエットや健康で「〇〇を食べれば」大丈夫。みたいなのはたくさんあります。
でも私たちの身体はとても複雑で体調の良し悪しは様々な要素が絡み合ってなります。
それをヤンデル先生は「足が数万個くらいあるヤジロベー」と例えています。
身体のバランスを整えるのにいろんなものがあって、そんな1種類か2種類の食べ物ばかり多く摂ったって全体のバランスにはほとんど影響は与えませんよ。と書かれています。全く無駄ではないけどすぐに大きな影響を及ぼすものでもない。
それくらいの心持ちでいたほうが精神的には楽ですよね。
他にも救急車を呼ぶべきか判断してくれるアプリ「Q助」や風邪症状と生活習慣病とで変わってくる病気との付き合い方だとか、お役立ち情報が満載でした。
「Q助」はとても役に立つアプリなので別記事に書いてます。もしものためにインストールしとくべきです。
家に一冊置いときたいし、いろんなより良く病院にかかるためにも家族や知人に勧めたい内容でした。
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