【小説感想】暦を創る壮大な物語『天地明察/冲方丁』

本・漫画
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第7回本屋大賞受賞作。映画化もされた史実に基づいた歴史小説です。 上下巻に分かれてますが全然分厚くないのでできれば1冊にまとめてほしかったところ。

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本の情報・あらすじ

天地明察/冲方丁(角川文庫)

(上巻)徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ち上がる。即ち、日本独自の暦を作り上げること。当時使われていた暦・宣明歴は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門として生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していたいた。彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く――。日本文化を変えた大計画をみずみずしくも重厚に描いた傑作時代小説。第7回本屋大賞受賞作。

〈下巻〉「この国の老いた暦を斬ってくれぬか」会津藩藩主にして将軍家綱の後見人、保科正之から春海に告げられた重き言葉。武家と公家、士と農、そして天と地を強靭な絆で結ぶこの改暦事業は、文治国家として日本が変革を遂げる象徴でもあった。改暦の「総大将」に任じられた春海だが、ここから想像を絶する苦闘の道が始まることになる――。碁打ちにして暦法家・渋川春海の20年に亘る奮闘・挫折・喜び、そして恋!! 

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 暦を創る壮大な物語

「問題です。1年は何日ですか?」

当然答えは「1年間=365日」、常識です。でもそれが違っていたとしたら?

主人公渋川は、「これまで使っていた暦がずれてきているので新しい暦を作れ」と指示されます。

今よりも道具の乏しい江戸時代。各地を渡り歩き星の動きを計測し新たな仮説を立てていくという途方もない天との大勝負。

史実をもとにした作品ということで当時の人たちのすごさに驚きを隠せない。文章も読みやすくさすが本屋大賞に選ばれた作品です。

 天地明察という言葉のかっこ良さ

声に出して読みたい日本語。

主人公は算術に熱心で、塾長が出した問題に正解すると「明察」というそうです。今でも「ご明察の通り」って言葉が残ってます。

天(星の動き)と地(人々の時の流れ)を結びつける問題に挑み、見事正解したあかつきタイトルの「天地明察」は意味を成します。それまでにどれほどの苦難があったのかはぜひ読んで確かめてください。

もうちょっと先を読めなくしてもいいんじゃないかと

 読んでいくとことあるごとに「このことが後に~を招くのである」みたいな文章があったのがもったいない。

読む前にネタバレされてる気分がしてそこはなくてもいいんじゃないかと思う。

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