【小説感想】死者を労働力に使う世界『屍者の帝国/伊藤 計劃,円城 塔』

本・漫画
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伊藤 計劃の幻の3作目。完成させたのは別の作家ですが、面白そうだったので。

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本の情報・あらすじ

屍者の帝国/伊藤 計劃,円城 塔/伊藤 計劃,円城 塔(河出文庫)

屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入、その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフにより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆ける―――

伊藤 計劃の未完の絶筆を円城塔が完成させた奇蹟の超大作。

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死体を労働力として活用する世界で生者と屍体を分けるものとは

『虐殺器官』、『ハーモニー』といった大作SF(ハーモニーはまだ読んでないけど)を世に送り出しながらも、わずか34歳という若さでなくなった伊藤 計劃の残したプロットをもとに円城塔が完成させた小説。

つい先日映画が公開され、ハーモニー、虐殺器官も続いて映画公開が予定されている今話題の作品ですがようやく読み終わりました。

周りの感想だと伊藤計劃の作品というよりは円城塔の作品らしいが、円城塔の作品を読んだことがないのでそこまで気にはならなかった。

この作品ができた経緯を考えれば文章に伊藤計劃らしさが出ることは難しいんじゃないかな。

フランケンシュタインが現れてから、死体を労働力として活用する技術が発展した世界が物語の舞台となる。

単純作業から戦争に至るまで、屍者が日常生活に密接に関わった世界で、人間であるワトソンと物語を記録する屍者フライデーを中心に話が進んでいく。

難しい内容だったので100%楽しめたかと言われたら自信はないが、自我とは何かというスケールの大きな物語でした。

史実とSFを混ぜながら展開するので作中の出来事を知っていると面白いらしいんですが、

ただ世界史がさっぱりな私にはどこまでが史実なのかちんぷんかんぷん。

これはちゃんと楽しむためにはもう1度読む必要がありそうです。

でもその前に映画かな。あれだけ話題になってるし。

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