古本屋で気になったので購入。今は角川で加筆されてるのが出てるんですね。せっかくならそっち買えばよかったです。
本の情報・あらすじ
推定少女/桜庭一樹(ファミ通文庫)
「あんまりがんばらずに、いきていきたいなぁ」 巣籠カナは、そんな言葉を呟いてしまう15歳の少女。ある夜、家族とのトラブルから家出し、町のダストシュートで、とんでもないものを発見する。――それは、銃を握ったまま眠る全裸の少女だった!
UFO出現と銃撃事件で大騒ぎの町を、眠りから覚めた少女“白雪”とカナは逃亡する。東京へ着いたふたりは火器戦士の千晴に出会い行動を共にするが、そこへ黒い謎の影が――!? 新世代青春エンタテイメント登場!
悩めるボクっ娘の見る世界は現実か空想か…
まず最初に。自分は古本屋でこの本を購入したのでファミ通文庫版の「推定少女」だが、後に角川文庫で出版されており、そこには幻のエンディング2本が追加されてます。なので興味を持たれた方はせっかくだから角川文庫の方を買うべきです。
子供と大人の間で揺れるカナの心情が前面に描かれており、思春期のリアルな悩みと空想としか思えない現実との対比を楽しむ作品。
途中で出会った宇宙人“白雪”と出会い、東京でいろんな大人に狙われるカナ。冒頭から最後までどこか不思議な雰囲気が漂うが、カナ自身が思うことや周りの大人たちから言われることが響く。
その中でもとある喫茶店での会話での
「いま、いろんなこと、とっても苦しいじゃない?」
…
「いまこんなに苦しいこと、あとほんの何年かして大人になったら、忘れちゃうのかな?それで、いいわねぇあれぐらいの年の子、悩みなんてなくて、なんて平気で言えるようになっちゃうのかなぁ?」 (本文137、138頁)
この言葉に集約されてる気がする。
確かに時間が経てばとるに足らない事で、なんで悩んでたんだろうってことはたくさんある。でもその時は本気で悩んで悩んで眠れなくて…ってくらい考え込んでるもんで、そういうことをさらっと流せるようになったら大人なのかなあ。
カナと同じくらいの年ごろに読んでたら共感する部分も多かったのかもしれない。でも年くった今じゃあんまりのめり込めなかった。現実世界の方がふわふわしすぎててよくわからないまま終わってしまった。
ファミ通文庫の方で読んだので角川文庫のマルチエンディングの内容がどんなか気になる。
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