【ラノベ感想】オツベルと像の仲が良いままだったら『オツベルと笑う水曜日/成田良悟』

本・漫画
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何気に成田良悟作品を読むのは初めて。シリーズものは長すぎてちょっと手を出す気になれないので。

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本の情報・あらすじ

オツベルと笑う水曜日/成田良悟(メディアワークス文庫)

現場に残るメッセージの謎とは――

 『己の身が清廉潔白である事を証明しようかと思います』

 出所したばかりの容疑者の部屋で発見された声明文。そして殺人現場の壁に残る『私は無実です』のメッセージ。

 芸能ゴシップや都市伝説等を扱う、とある雑誌の編集部。そこには編集長の乙野辺ルイ、通称オツベルが若き女帝として君臨していた。そんな部に急遽配属された、強面で顔面に傷痕が走る巨漢、喜佐雪弘。自分を悪人だと自負するルイと真面目ながらも謎の多い新人記者・喜佐が、いつしか連続殺人事件に巻き込まれ――。

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オツベルと像の仲が良いままだったら

『デュラララ!!』、『バッカーノ!』の著者:成田良悟の作品。物語の世界は著者の電撃作品と同じ世界観らしいが、これらの作品の出来事は作中の記事で少し触れる程度なので、読んだことの無い人でも十分に楽しめる。

若い女性ながらも物怖じしない態度で堂々と振る舞う編集部長:オツベルと、長身・強面でその筋の人と疑われる新米記者:喜佐のコンビ。タイトルや各章の合間に挟まれる話から太宰治の「オツベルと像」がモチーフとなっているので、先にどんな話かを知っていた方が面白い…と思う(読んだことない)。多分タイトルに含まれる「水曜日」も元ネタから来てるんだろう。

序盤で関わった事件とメインの殺人事件2つの事件をうまく絡めて繋げていく構成はさすが。二人が追う殺人事件と包帯男、卑下しながらも自分の職業に負い目を持たないオツベルの過去や、謎の新人:喜佐のことなど複数の事柄をテンポ良くまとめているので読みやすい。どんでん返しとか突飛な展開とかなく堅実に面白いといった印象。

読み終わる頃には自分は冷徹だと言いながらもどこか優しさのあるオツベルと、寡黙な表情の喜佐の隠された内面を知ってよりキャラに愛着がわく。一巻完結だが、傷の謎やそれぞれの過去や人間関係などからさらに話を広げられそうなので続きがあるなら読みたい。というかオツベルが爆笑するくらいの傷の原因を知りたい。

同じ世界なだけあって所々にデュラララやバッカーノなどの他作品のキャラや設定が散りばめられているらしいので成田良悟作品が好きならなお楽しめるのではないだろうか。自分はあの長さに今さら手を出すのが億劫なので未読ですが…。

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