【小説感想】理系ミステリの先駆け『すべてがFになる/森博嗣』

本・漫画
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本屋でお洒落な表紙とタイトルに惹かれて何気なく手に取った1冊。まさかその後シリーズを大人買いして読破することになるとはそのとき思っても見ませんでした。

予想外もいいとこのトリック。犀川創平と真賀田四季との高尚な会話劇。やみつきになること間違いなしです。

本の情報・あらすじ

 すべてがFになる/森 博嗣(講談社文庫)

孤高のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。

彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。

偶然、島を訪れていたN大教・授犀川創平と学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人事件に挑む。

ミステリィの世界を変えた記念碑的作品。

理系ミステリの先駆け

この本は森博嗣のデビュー作で1996年に第1回メフィスト賞を受賞した小説です。

1996年ってほぼ20年前ですよ。それが今でも読まれ続けるってすごいです。しかもプレステでゲーム化までされてます。(なんと2014年にドラマ化・2015年にアニメ化までされました)

主人公も工学部で舞台となる場所も研究所で作中に出てくる話題もトリックも理系というまさに理系ミステリです。

筋道たった理論展開や理系の知識がここで生きてくるのかという驚き。その分野に関わっている人が読むと面白いと思います。

ちなみに僕も理系ですが工学部ではないので

「なんかよくわからんけどめっちゃ面白い!!」

って感じでした。なので「理系ミステリ」だからって文系お断りではないです。むしろ読んで。

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犀川先生と真賀田博士の会話が面白い

僕は理系のトリックよりもこっちが面白くてハマりました。

文章全体の雰囲気ももちろんですが、主要な登場人物が素敵です。天才である真賀田博士や実は同じくらい天才じゃないかと思われる犀川博士のセリフや考え方が素敵。

天才を書くのって作者が天才じゃないと胡散臭くなります。いくら地の分で天才と説明されても「何言ってんだこいつ」ってなるもんです。

でもこの本を読んだら「真賀田博士はほんまもんの天才やでえ…」ってなります。

難解なところも多々あります。でもそれがこの作品の魅力です。読み終わる頃にはきっと森ミステリの虜になってるはず。

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S&Mシリーズ以後も物語が続く・繋がる

この本を皮きりに始まる「S&Mシリーズ」は全10巻で、そのあとも「V」「四季」「G」などなどといろんな著書があり、舞台となる時代がずれてたりしますが全部繋がってます(S&Mでは萌絵は大学1年生だがGでは博士だったりなど)

なので各シリーズに出てくるキャラがちょい役で出てきたり、短編集でコラボしたりと読めば読むほど新しい発見ができるのが面白いです。

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