【小説感想】寄せ集めの学連選抜が目指すは箱根駅伝優勝!『チーム/堂場瞬一』

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僕もマラソンを走ったりするのですが、陸上の長距離の花形といえば駅伝。

とくに箱根駅伝は正月の恒例行事になってます。

今回読んだ本は、箱根駅伝に挑む学生たちの物語です。

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本の詳細・あらすじ

チーム/堂場瞬一(実業之日本社文庫)

箱根駅伝で出場できなかった学校の選手から選ばれる学連選抜。

4年間同じ釜の飯を食い苦楽を共にしたチームメイトとは違う、少し前まで敵同士だった学生たちの急造チームの彼らが目指すのは優勝。

顔も知らない人たちと襷をつなぐ意味はなんなのか?

駅伝の面白さや敗者の葛藤が垣間見えるお話です。

ちゃんとしたあらすじはこちら。

ゴールの瞬間まで目が離せないノンストップ駅伝小説!

箱根駅伝出場を逃がした大学のなかから、予選で好タイムを出した選手が選ばれる混成チーム「学連選抜」。

究極のチームスポーツといわれる駅伝で、いわば“敗者の寄せ集め”の選抜メンバーは、何のために襷をつなぐのか。東京~箱根間往復217.9kmの勝負の行方は―選手たちの葛藤と激走を描ききったスポーツ小説の金字塔。

巻末に、中村秀昭(TBSスポーツアナウンサー)との対談を収録。

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学生連合という急造のチームがひとつにまとまっていく

やっぱりチーム戦のスポーツはチームがいかにまとまっていくかが面白いところです。

学連選抜では駅伝の予選に負けた学生たちが集められます。でもチームとしては負けても優秀な選手はたくさんいます。

そういった学生を集めるわけですから能力は他の大学にも負けないはず。

なんですが、そんな簡単なスポーツではありません。

学連選抜の選手はモチベーションが全員違います。チームスポーツにおいてこのモチベーションの差は致命的です。

箱根に出れるならどんなチームでも構わないって人や、他の部員を差し置いて自分だけ箱根に出るのは…と悩むもの、予選に負けたことで自分の選手生命はここで終わったと諦めているものなど様々です。

そんな彼らが「優勝」という目標を掲げ襷をつなぎながらチームとしてまとまっていくのが面白い。

山城が浦を認めるシーンが良き

山城は過去に出場した箱根駅伝ではすべて区間新を達成するという長距離ランナーの才能にあふれた選手です。

ただものすごいエゴイスト。

学連選抜に出るのも1か月後に控えたフルマラソンの調整のため。合同練習もすべて自分のペースでやりミーティングも時間の無駄と考える程。

チームに貢献とかそういった意識はまったくなく、すべては自分の能力を高めるための踏み台と思っています。

そんな山城ですが、レース中にあるトラブルに見舞われたことで主人公の浦のことを認め考え方が変わっていきます。

その過程がすきなんですが、さらにそのあとのツンデレっぷりが可愛い。

一度は諦めた門脇の奮闘が熱い

門脇は諦めた選手でした。予選会で負けたときも自分の実力はこの程度、これで選手としては終わりだけどそんなに悔しがるもんでもない。

という主人公に対して「なんでそんな熱くなってんの?」って冷ややかに見る選手。

選抜に招集された後も自分は裏方に徹するからと、山城とは違い何がなんでも走りたいって

でも実はすごく箱根に憧れていたんですよね。弱小高が何夢見てんだって笑われるから誰にも言わないけど誰よりも箱根で走りたいと思っていた。

そんな彼がひょんなことから出場することになって…。良かったです。

さらに寄せ集めのチームで唯一主人公と旧知の仲で主人公のことをよく見てるいいやつなのも好きでした。

まとめ

個人技のつなぎ合わせのように見えるけどチームスポーツである駅伝。

技術的なチームワークではなく、いろんな思いを背負って走る精神的なものだけど、そこが結果に関わってくるから面白いよね。

2も出てるそうなので借りてこようと思います。

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