【小説感想】不老不死となった人間と人口生命体ウォーカロンの違いはなんなのか『彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?/森博嗣』

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森博嗣の「Wシリーズ」

最近シリーズを追ってなくて続きを買わなきゃと思ってたら風のうわさで完結した(?)と聞きました。

せっかくなので既刊のおさらいをしてから買おうと思い再読中…

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本の詳細・あらすじ

彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? /森博嗣(講談社文庫)

再生医療やアンドロイド技術が発展した未来。人は不老不死を実現し、アンドロイド(作中ではウォーカロン)は人工細胞により人と変わらない見た目と考え方を持つようになります。 

しかし不老不死を獲得した代償なのか子供が生まれなくなりました。老いず増えることのない人間と人と識別がつかないくらい発展したウォーカロン。

天然か養殖かでしかない両者を区別する研究をしているハギリは突然命を狙われます。

彼の研究が及ぼす影響とは。人を人たらしめる要素とは何か。

哲学的な面白さが光る物語です。

ウォーカロン。「単独歩行者」と呼ばれる人工細胞で作られた生命体。人間との差はほとんどなく、容易に違いは識別できない。研究者のハギリは、何者かに命を狙われた。心当たりはなかった。彼を保護しに来たウグイによると、ウォーカロンと人間を識別するためのハギリの研究成果が襲撃理由ではないかとのことだが。人間性とは命とは何か問いかける、知性が予見する未来の物語。

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人を人たらしめる要素とは何か

あらすじでも書きましたが、技術が発展したこの世界では人口生命体のウォーカロンが人間と一緒に生活しています。

しかも主人公のハギリが識別法を研究しなければならないくらいウォーカロンは人と同じです。

彼らは完全に生きている。有機質の細胞を持ち、人間と同じ肉体を持っている。どこにも違いがない。意識もあり、学習もするし、癖もあり、失敗もし、感情も持っている。ただ、その生い立ちが違うだけだ。

自己申告するかデータに照合するかくらいでしか彼らを区別することはできません。

しかも人間にはもう子供が生まれない。ウォーカロンも子供はできませんが、人口生命体なので増えます。

人はゆるやかに減っていくけどウォーカロンは増える。しかも両者には違いがほぼない。

作中では人はひらめきがあるという話も出ていますが、それくらいでしか差がでない。

じゃあ人間とウォーカロンを区別する意味とは?

iPS細胞が発達し、新しい治療ができるというニュースを見かける今日この頃。このまま発展していけば人はいろんな病気を駆逐できると思います。

そうすればいずれはこの作品のような世界が訪れても…。

真賀田博士はWシリーズにも出てくる

やっぱり森博嗣作品にはこの人は外せない。未来の話のWシリーズでも出てきます。

再生医療で不老不死を保っている本人なのか彼女のすべてを受け継いだウォーカロンなのか。

現状をすべて予見していたかの発言。 彼女が出てくるとすべてが掌の上で転がされている気がします。

 でも何度読んでもこのシーンは鳥肌です。森博嗣作品がすきで真賀田四季が好きじゃない人なんておらんだろってくらい文章だけで溢れ出るカリスマ性。

シリーズの結末は彼女が思い描いたものとなるのかどうなのか。

好きなキャラ:ウグイ・マーガリィ

「ウグイ?ファーストネームは?」

「マーガリィ」

「マーガリン?」

「マーガリィ」

ハギリを脅威から守るために突然現れた女性ウグイ・マーガリィ 

機械かと思うくらい冷静で無表情なキャラです。

でもハギリの冗談には冗談で返すおちゃめな一面もありまさ(無表情ですが)

まとめ

タイトルにも「Does She Walk Alone?」とありますが、彼女が人間なのかウォーカロンなのかは答えが出ていません。

区別することに意味はないのかもしれませんが、ウォーカロンだとしたら「人間と人工生命体の恋愛」になるのですが、森博嗣はどういう答えを出すのか。

今後が楽しみです。

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