【ラノベ感想】大人になって変わったものと変わらないものと『結物語/西尾維新 (講談社BOX)』

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物語シリーズオフシーズン最終巻!!

ようやく追いついた…のかな。 

オフシーズンはずれやなと思ってたら前の巻の撫物語が面白かったのでそのまま最終巻へ。

大学生時代をふっとばして警察官(しかもキャリア!)になった阿良々木暦の久しぶりの一人称で進む物語です。最終巻にふさわしい内容でした。

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本の詳細・あらすじ

結物語/西尾維新  (講談社BOX)

「私は何も知りませんよ。あなたが知っているんです――阿良々木警部補」
怪異譚となる前の“風説”を取り締まる、直江津署風説課で働きはじめた警察官・阿良々木暦。
町を離れた、ひたぎと翼。
二十三歳になった三人が選ぶ道と、暦が最後に伝える想いとは……?
知れば知るほど、知らないことが増えていく――これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!

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それぞれのキャラのその後が見れるのが楽しい!

これまでも阿良々木暦たちが高校卒業した後の話はいくつもありましたが、今回は一気に時間を飛ばして卒業から5年後、阿良々木暦が23歳になってます。

ひたぎと同じ大学に進み、その後まさかの親と同じ警察官になっています。しかも落ちこぼれだったのに大卒で試験に受かったエリート組。

そんな阿良々木が研修として配属されたのは久しぶりの地元。しかも怪異を専門に取り扱う部署といううってつけの部署です。

同じ職場の先輩方はほとんど全員怪異に関わりがあり、怪異のバーゲンセール状態でした(笑)

新キャラも登場しつつも、地元に帰ってきたこともありこれまで出てきたキャラたちも出てきます。

こういうアフターエピソードほんと大好きです。

それぞれの現状が手堅いのもいたり意外なのもいたりと、好きなキャラクターたちが物語が終わってもちゃんとそれぞれ生きていて、そこに至るまでに何があったんだろうって想像するのが楽しい。

 ちなみにそれぞれの現状は…

阿良々木暦 ⇒ 警察官(キャリア) 怪異専門の風説課に研修配属される

阿良々木火燐 ⇒ 警察官(高卒組) 前線でバリバリ活躍中。家はきたないが兄が帰ってくるときいて歯ブラシは用意していた(笑)

阿良々木月火 ⇒ 大学中退して留学 さらに留学して入った大学も辞めるという破天荒ぶり

戦場ヶ原ひたぎ ⇒ 世界経済を動かすトレーダー 親父のライバル会社に入り海外在住

神原駿河 ⇒ 医師を目指す大学生 スポーツドクター志望

千石撫子 ⇒ ちゃくちゃくと作品を書き上げる漫画家 一部では人気らしい

八九寺真宵 ⇒ 登場せず。うまくやってるらしい。

老倉育 ⇒ 役所勤務の公務員 すでにローンで家を購入

忍野扇 ⇒ 阿良々木付きの怪異だったが高校を依代とする怪異にレベルアップ(?)

羽川翼 ⇒ 世界中の注目を集める和製ジャンヌ・ダルク 「阿良々木君元気にしてる。私は今日16個目の国境を消しました」

てな感じです。

この進路を選ぶにあたってどんな葛藤や苦難があったのか。その辺を考えるのも楽しいです。

斧乃木ちゃんとかどうしてんだろね。月火についてったのかな。それとも撫子のサポートとかしてんのかな。 

やっぱり阿良々木暦の語り部が一番読みやすい

最近はいろんなキャラが語り部となって、主人公が一切登場しない話もざらにありましたがやっぱり主人公のが一番しっくりきます。

高校時代の変態じみた行為や長ったらしい語りもなく、いい意味で成長した、悪く言えば物足りなさを感じる語りでした。久しぶりに帰ってくるとノスタルジーな雰囲気にもなるよね。

風説課に研修で配属され、怪異がらみの先輩方と怪異の種を摘んでいく阿良々木。しかも事件はだいたい自分がこの町で過ごした子供たちが絡んでいるものばかり。

そりゃ自分の学生時代とか思い出しちゃうよね。

久しぶりに地元を訪れ、過去のことやこれからのことで悩んで、そんな時に忍に「過去に戻ってやり直すこともできる」と言われたときの阿良々木の答えがすごく良い。

「昔に戻る気はないよ忍。今の僕も、昔の僕も、両方僕だ。」

「高校時代は楽しかった。今も楽しい。嫌なことは昔と同じで今もある。だけど解決してみせる。それでいいだろ」 (本文200頁)

Fateの士郎も似たようなこと言ってたけど、どんな嫌な過去があっても、それがあるからこそ今の自分がいる。

当時の価値観が年くってくことで変わっていくことなんてよくあることだし、だからといってそれが過去の自分を否定することにはならない。

当たり前のことだけどすごい大事なことですよね。

締めくくるにはふさわしい内容でした。

ってあとがきまで読んだらなんと次は「モンスターシーズン」ですってよ。

こんないい雰囲気で締めて終わらんのかい!!!

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