【小説感想】電脳世界での新たな生き方とは?『私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback? /森博嗣』

本・漫画
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 Wシリーズの最新作。

買ったけど放置してたのをようやく読みました。この知的な文章がたまらない!!

しかもGシリーズも終わりが見えてきてるのだとか。どこまで読んだか覚えてないのでまた読み直したいなあ。

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本の詳細・あらすじ

私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback? /森博嗣(講談社タイガ)

富の谷。「行ったが最後、誰も戻ってこない」と言われ、警察も立ち入らない閉ざされた場所。そこにフランスの博覧会から脱走したウォーカロンたちが潜んでいるという情報を得たハギリは、ウグイ、アネバネと共にアフリカ南端にあるその地を訪問した。富の谷にある巨大な岩を穿って造られた地下都市で、ハギリらは新しい生のあり方を体験する。知性が提示する実存の物語。

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電脳世界での新しい生き方

ハギリたちはウォーカロンが住む村を訪れるが、その村には代表者以外に外を出歩いてるウォーカロンは一人もいない。

彼らのところに案内すると言われたハギリたちはヘッドギアなどの装置をつけ彼らの住む電脳世界へと導かれるのであった。

人工細胞によってほぼ不老不死の身体を得た人類、さらに人工細胞を使うことで見分けがほぼつかなくなったロボット:ウォーカロン、

さらにネットの繋がるところならセキュリティもお構いなし、ウォーカロンに埋め込んだチップを介して操る事の出来る、プログラム上の生物:デボラ

SF要素満載のWシリーズですが今度は電脳世界。

そこに住むウォーカロンたちは現実世界では脳だけとなっており、他者との交流・仕事・趣味などすべてのことは電脳世界で完結しています

「水槽の脳」という思考実験を彷彿させる展開です。

水槽の脳 – Wikipedia

もしくは映画:マトリックスの方がイメージしやすいかも。

電脳世界というと虚構のようなイメージがしますが、彼らはそこで生きている。

じゃあ自分たちはどうなのか?

ってのが今回のタイトルそのまんまですが直球のテーマでした。

多分今の僕らは「生きているとは何か」って聞かれたらそれなりの答えが出せると思います。

いろんなことを楽しむこと、好きな人と結婚して子供を育てていくこと、社会の役に立つ仕事をすること…。

でもWシリーズの世界では子供を産めなくなった人類はゆるやかにその数を減らしていて、人間が造ったウォーカロンは人間との違いがほとんどなくなってきてる。さらには非公式ではあるが子供を産めるウォーカロンも出てきている。

人間が人間として在る意味が薄れてきている世界なんですよね。じゃあ生きているってどういうことなのかと。

そういうふうに悩めることが生きていることの証だと作中では話がされていますが、そのやりとりをするハギリとデボラが微笑ましくてお洒落で素敵でした。

やっぱ森博嗣最高です。

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