姑獲鳥の夏からだいぶ経ってしまいましたが京極堂シリーズ2巻です
本の情報・あらすじ
魍魎の匣/京極夏彦(講談社文庫)
箱を祀る奇妙な霊能力者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物――箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物は落とせるのか!? 日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾。
得体の知れない建物で研究してるものは…?
シリーズ2作目。1000ページを超える分厚さの本で持ち運ぶにも寝ながら読むのにも苦労した1冊。何故上下巻に分けなかった。
薄気味悪い事件にそれぞれが関わっていきそれが徐々に絡み合う。事件の内容もだが、榎木津による講釈も難しいので流し読みでは到底内容が理解できない。その分集中して読むわけだが本の分厚さもあってなかなか読み進められなかった。でも面白い。読むのに体力が要る小説は久しぶりだった。
木場の葛藤や終盤での関口の暴走、豊富な知識で憑物を落とす京極堂などの主人公側だけでなく事件に関わる登場人物も際立っていた。ラストの榎木津と美馬坂との口論がすごい。「医療とは何なのか、どこまでならば人道的なのか」簡単には出せるような議題ではない。でも自分だったら意識がなくて生命活動だけ維持されてるのは生きてるとは言えない。
他にも霊能者や占い師の定義や犯罪のきっかけ(いわゆる「魔が差す」)など、京極堂が語る理論は面白かった。シリーズ読みたいけど一気には無理やな。徐々に読んでいこう。
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