【小説感想】クロワッサンが食べたいな『真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒/大沼紀子』

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読むとおなかが減ってくる。無性にパンが食べたくなる困った小説です。

クロワッサンが食べたい。

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本の情報・あらすじ

真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒/大沼紀子 (ポプラ文庫)

真夜中にだけ開く不思議なパン屋さん「ブランジェリークレバヤシ」に現れたのは、美人で妖しい恋泥棒――。謎だらけの彼女がもたらすのは、チョコレートのように甘くてほろ苦い事件だった……。不器用な人たちの、切なく愛おしい恋愛模様を描き出す“まよパン”シリーズ第2弾!!

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弘基の男らしさが光る2巻

深夜にしか開かないという変わったパン屋さんで働く人たちと、そこに来る変わったお客さんがいろんな事件に関わる話。去年ドラマ化したけどこれもうシリーズ4冊目まで出てるんやね。1巻を読んだのはいつだったかな…。

そしてこのシリーズは“まよパン”と略すらしい。マヨネーズパンのことかな?

いつもと変わらず営業していた「ブランジェリークレバヤシ」に突如ある女性が駆け込むところから物語が始まる。彼女は弘基の中学時代の恋人であり、そのとき書いた「婚姻届け」を持っていた。そこから徐々に明らかになる事件の顛末と弘基の過去。

常にパンを優先している弘基だが、そのパンもただ作るのではなく食べてもらう相手のことを考えて作っており優しさが垣間見えるのが良かった。そして事件のケリのつけ方が男らしい。

「アイツの気持ちなんて知ったこっちゃねーよ」「俺がアイツを救いたいと思ったんだ。それだけで、手を差し出す理由としちゃあ、お釣りがくるくらいのもんだろ」(本文313頁)

美和子によって救われた弘基が、美和子の望んだパン屋で働き、そこで作ったパンで誰かを救う。重い話だったけどいい感じでまとまっていた。

希美も誰にも心を開こうとしなかった最初に比べ、クレさんに嫉妬したり、来てくれるお客のことを本気で心配したりと周りと仲良くなっていたし、班目も動かない変態から動き回る変態へとパワーアップしたりとみんな成長していた。新たな謎も出てきたので次も気になる。

とりあえずクロワッサンが食べたい!!

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