【小説感想】人工生命と人間は共存できるのか『彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? /森博嗣』

本・漫画
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講談社の新しい小説レーベル『講談社タイガ』から森博嗣の新しい「Wシリーズ」が始まりました。

再生医療や生体工学が発展した未来の話でこれまでのシリーズを読んできたファンとしては読まないわけにはいかない小説です。

既にシリーズ3冊出ており、「新シリーズ出てるやん」と思って買ったのが2作目だったのは内緒(笑)新刊チェックが甘いねー。

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本の詳細・あらすじ

彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? /森博嗣(講談社文庫)

ウォーカロン。「単独歩行者」と呼ばれる人工細胞で作られた生命体。人間との差はほとんどなく、容易に違いは識別できない。研究者のハギリは、何者かに命を狙われた。心当たりはなかった。彼を保護しに来たウグイによると、ウォーカロンと人間を識別するためのハギリの研究成果が襲撃理由ではないかとのことだが。人間性とは命とは何か問いかける、知性が予見する未来の物語。

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将来到達しそうな世界

この物語は現代よりもはるか未来、再生医療が進み、自分の細胞から新たに臓器や器官を培養して取り換えたりできるようになり病気や寿命を克服した世界の話です。

齢100歳を越えても老人の姿をした人がおらず、古くなったものは新しいものに取り換えることで半永久的に大人として生きていける時代。

細胞を入れ替えることで死なない代わりに世代交代がなくなり、子供の数は減っていてもみんなが健康を維持したまま長生きしており、主人公の研究者:ハギリはいつまでも変わらぬ同僚たちとゆるやかに生きています。

そして発達しているのは再生医療だけじゃない。世界的な人口減少による労働力低下のためにアンドロイドも高度に発展しています。

アンドロイドも機械で出来たあからさまなロボットではなく、人工細胞を培養して見た目は人間と区別がつかないレベル。

思考レベルも人間と合わせるように、ランダムでわざと間違えたり反応を遅くするようなプログラムが組み込まれたりと、見た目だけでなく挙動も人間と変わらない『ウォーカロン』と呼ばれるアンドロイドたち。

実際、再生医療ではiPS細胞やES細胞がこれから期待できますし、自分の細胞から作った網膜を移植することも成功していおり、アンドロイドの技術もどんどん発展してホテルのフロントを機械が請け負ってるところもあったりします。

100年後、200年後はこの本のような世界になってるのかもしれません。

子供が出来なくなった人間とウォーカロンの違いはどこか?

死を克服したといってもいい人類。しかし医療の発展でほぼ不老不死が得られた代償なのか「子供が生まれない」といった障害を抱えてしまいます。

誰も老いることも死ぬこともできなくなったが、新しい生命が誕生しなくなり人口は緩やかに減少していく世界。

そうなると再生医療で不良な部分を取り換え生きているヒトと、人工細胞で作られたウォーカロンの違いはどこにあるのか。

その問が作中で度々投げかけられます。

実際どんなんだろうなあって考えながら読むとページ数以上の読書感が得られました(笑)

もちろんあの人も出てくるよ

まずこの物語の世界に『ウォーカロン』ってのが出てきた時点で登場を期待するよね。

それはもう森博嗣のファンなら仕方ない。

そして期待通りに登場するあのひと。

時系列は百年シリーズよりあとの話なんだろうか。

出てきたあの人は再生医療により生きながらえた本人なのかはたまた思考を全コピーしたウォーカロンなのか。

続きが楽しみです。

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