【ラノベ感想】「いってらっしゃい」と「おかえり」に籠められた想い『空の彼方/菱田愛日』

本・漫画
記事内に広告が含まれています。
LINEで送る
Pocket

タイトルと表紙に惹かれて購入。

スポンサーリンク

本の情報・あらすじ

空の彼方/菱田愛日(メディアワークス文庫)

この店で、あなたの帰りを待っています。

 小さな路地に隠れるようにある防具屋「シャイニーテラス」。店の女主人ソラは、訪れる客と必ずある約束をかわす。それは、生きて帰り、旅の出来事を彼女に語るというもの。ソラは旅人たちの帰りを待つことで世界を旅し、戻らぬ幼なじみを捜していた。

 ある日、自由を求め貴族の身分を捨てた青年アルが店を訪れる。この出会いがソラの時間を動かすことになり――。不思議な防具屋を舞台にした、心洗われるファンタジー。

 第16回電撃小説大賞〈選考委員会奨励賞〉受賞作。

スポンサーリンク

「いってらっしゃい」と「おかえり」に籠められた想い

主人公は防具屋「シャイニーテラス」の女主人ソラだが、話はそのシャイニーテラスに訪れるお客さんの視点で語られる。物語のほとんどが光の入らない防具屋の中で交わされる会話と少し変わっている。が世界観が狭いという訳ではなく、訪れるお客が話の語り手であることと旅から帰ってきた後の旅の思い出語りがメインのためソラと一緒に旅の思い出を聞いているような気分になる。

様々なお客が訪れる短編集かと思いきや後半にある大きな事件にそれぞれが関わっていて…。ソラの店に訪れたお客から話が、同じ事件でありながも個々の立場からの話で徐々に繋がっていくのが面白かった。

ただ思い出語りが主なことと主人公ソラの想いなどから、盛り上がるような話ではなく終始切なさが漂うきれいな作品でした。

LINEで送る
Pocket

コメント

タイトルとURLをコピーしました