【小説感想】地球にメッセージを送ってきた宇宙人の正体は?『巨人たちの星/ジェイムズ・P・ホーガン』

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 シリーズ3巻。今回は今までとは違ってなかなか派手な話でした。

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本の詳細・あらすじ

巨人たちの星/ジェイムズ・P・ホーガン(創元SF文庫)

冥王星のかなたから届く〈巨人たちの星〉のガニメアンの通信は、地球人の言葉で、データ伝送コードで送られていた。ということは、この地球はどこからか監視されているに違いない。それも、もうかなり以前から……!

五万年前に月面で死んだ男たちの謎、月が地球の衛星になった謎、ミネルヴァを離れたガニメアンたちの謎など、前二作の謎が見事に解き明かされる、シリーズ第3作!

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権謀術中蠢くスパイもの

1巻、2巻は人類の進化やガニメアンの謎を解き明かすのが話のメインでしたが、今回は様々な人物の思惑が錯綜する政治?スパイ?ものでした。

宇宙から届いた”地球の言語”のメッセージの送り主。ガニメアンに対する各国の対応。そして地球の情報を捻じ曲げて伝えていた者たちの正体とその目的。などなど、確かに謎解き要素もありましたが、

それ以上に相手を篭絡したりスパイを送ったりシステムを乗っ取ったりと後半はエンターテイメント性抜群の派手な展開でした。

ただその分出てくる登場人物の人数も桁違い。誰がどこの組織の人間なのかの把握がたいへんでした。

カタカナの名前は覚えにくいよう…

なので最初の方は地球側の出来事が全然頭に入ってこない。人物相関図を書きながら読めば良かったと思います。

そんな政治色が濃くなってきた舞台で研究者であるハントたちは活躍できるのか?

という疑問もあるんですが当然活躍します。なんせ主人公ですから。

今作は特にダンチェッカーが輝いてました。

『星を継ぐもの』では「なんやこのおっさん、気に食わんなー」とか思ってましたが感を追うごとに好きになってきます。

地球人ってすごいんだぜ

前作の『ガニメデの優しい巨人』でもそうですが、闘争意識という概念がない宇宙人が登場し地球人と対比させるわけですが、作中では何度も地球人を評価しています

科学水準や技術面では圧倒的に劣っていても地球人は持前の競争意識で技術を高め合い、多少の失敗ではめげずに挑戦し続けるタフさがあります。

現に携帯やゲームとかたった10年か20年でどれだけの進歩を遂げたことやら。

小説に現実が追い付くのもそう遠くないことなのかもしれないなあ。

訳者あとがきでは3部作って書かれてたけど実は続きがあるんですね。これも積読が減ってきたら読みたい。

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