【小説感想】妄想を超える暴想で作るラストシーン『少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語/一肇』

本・漫画
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らっぷびとが曲を提供したときいて本を読んでみようと思って購入。

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本の情報・あらすじ

少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語/一肇(角川書店)

どうしようもない僕に、キネマの天女が舞い降りた。

十倉和成。中堅おぼっちゃん大学の1年生にして、20歳。彼のボロ下宿の天袋から、絶滅危惧種の大和なでしこ“さち”がとつじょ這いおりてきたその日から、その停滞しきった生活は急転する!

風雲急を告げる竜巻ミステリー!

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K’s&らっぷびとのコンビが楽曲提供

本屋とか読書メーターではなく好きなアーティストから知った本。ライブ行くくらい好きなORIGAMI EntertainmentからK’sさんとらっぷびとさんのコンビがプロモーションムービーに楽曲を提供したことで興味を持った本。

作者の一肇(にのまえはじめ)さんはあの虚淵さんが所属するニトロプラスのライターさんという。まさかの角川書店&ニトロプラスとのコラボです!なんでも作者の一肇さんが以前かららっぷびとさんのファンだったそうでこの運びになったとか。

こんな大御所と仕事するなんてK’sさんらどんどん有名になってくな。とにかくこの新曲がとても爽やかな曲なんで早くフルが聴きたい。

特設ページ→http://www.kadokawa.co.jp/sp/2014/syoujyokinema/

本の内容はというと、物語後半の加速が素晴らしかった。あとミステリではないかなと。青春コメディってほうがしっくりくる。

主人公・十倉和成の一人称で物語が進んでいく。プロモーションムービーから親友の遺作を完成させるんだと予想していたが、そこまでが本当に長い。そして一文一文がも長い。素の文体がこうなのか、あえてこういう風にしているのかは分からないが森見登美子作品に似ている。

いつになったら話が進むんだとやきもきする前半を過ぎれば四章からの爆発力はすごい。前半の展開の遅さは後半の急展開をより面白くするための作戦だったのかと思うくらい怒涛の勢いで話が進んでいく。普段はバカでだらしない男たちもここぞというときは脇目も振らずにまっすぐ突っ走る様はまさに青春!映画を撮り終えたときには何かこみあげてくるものが。

ラストに明かされる真相も予想外だった。

森見作品が好きならおすすめ。ただ面白くはあったけど乙一さんのコメントは言い過ぎちゃうかなー。

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