Twitterで気になって買いました。
僕自身が小さい頃からアトピーを患っていること、職業柄知っておいたほうがいいと思ったので。
標準医療が最強で、民間医療は大半がカネ目当てのニセ医学ってことは知識としては知っていても「なんで患者さんが民間療法に手を出してしまったのか」という背景を知ることの大切さをまず最初に前半で書かれていて、衝撃を受けました。
アトピーに悩む人だけでなく、そういった人たちに接する医療者も読むべき本です。
本の内容
世界最高のエビデンスでやさしく伝える 最新医学で一番正しい アトピーの治し方/大塚篤司
ご自分や、お子さんの症状に悩む
全てのアトピー患者さんが
「一番最初に読む本」ができました。編集担当であるわたしは、
幼少期からずっと、アトピーに悩まされてきました。
アトピーは、基本的に、
「命に関わる病気」ではないと思われています。でも、ひどいかゆみで夜も眠れなかったり、
掻いちゃいけないとわかっているのに掻きこわして自己嫌悪になったり、
「自分の肌はきたない」と悩んだり、
なぜか医者によって勧める治療法が違って迷ったり、
何をやっても良くならなかったり、
じわじわと、心と体を蝕んでいく病気です。そして、何より患者を苦しめるのが、
「間違った民間療法」や「間違った情報」が、
「医学的に正しい治療法」と同じくらい広く
情報として出回っていることです。詳しくは書籍の中で解説されていますが、たとえば、
アトピーは「放っておいても症状がおさまる期間」(自然寛解)がある病気です。
その、「自然と症状がおさまる期間」と
「医学的に正しくない治療法」を実践したタイミングが合ってしまうと、
間違った治療法が「正しい」と誤解してしまうのです。わたしは、自分自身が「本当に正しい情報」を知りたくて、
そして、同じようにアトピーに悩む方々にそれを届けたくて、
この本を作りました。自信を持って、覚悟を持って、申し上げます。
Amazon商品ページより
どうか、「一番最初に」この本を読んでください。
エビデンス豊富で今一番効果的な治療がわかる
まず何よりわかりやすいです。
薬の作用や身体のメカニズムの説明などで専門用語が出てくるのは避けようがないですが、それでも平易な文章で書かれていて患者さん目線で書かれた本でした。
とりあえず太字を追っていけば概要はわかります。
民間療法や標準治療についてエビデンスを基に現時点では効果がある・ない・まだわからないとばっさり書かれているのが良かったです。
特に「エビデンスがないので現時点ではわからない」とちゃんと書いてあるのが誠実だと感じました。
もし「ダマされてもアトピーがよくなるならいいのではないか」と思う人は、まずは「ダマされないでアトピーがよくなる方法」に目を向けてほしい・あなたが誰かからダマサれてもよい理由はこの世に1つもない。
本書第3章より
丁寧で優しくい言葉が胸を打ちます。
民間療法はニセ医学が多いので僕もおすすめはできないです。きちんと効果があるってエビデンスがあるなら標準治療に組み込まれてるはずだし。
ステロイド外用剤や保湿剤の正しい使い方も後半にかかれています。
自分も薬をもらいに皮膚科に行くことがありますが、「1日○回塗ってください」ってだけで、どれくらい塗ったらいいか教えてくれなかったって人もいるんじゃないかな。このへんは僕ら薬剤師もきちんと服薬指導してるのかって疑問もあります。
1回に塗る薬の量ってかなり多いので、この量をきっちり使ってる人って少ないのでは…と思います。
塗り薬の基準は1FTUという基準があります。過去に記事を書きました。
ステロイド外用剤で治らないって嘆く人は、1回に塗る量が少なかったりするので毎日この量をちゃんと塗ってから判断してもいいのでは。
僕も服薬指導をするときに塗る量について話すよう意識していきます。
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