久しぶりに池井戸潤の作品を読みました。
正義は最後に勝つってパターンはやっぱり読んでて楽しい。
本の詳細・あらすじ
ようこそ、わが家へ/池井戸潤 (小学館文庫)
真面目なだけが取り柄の会社員・倉田太一は、ある夏の日、駅のホームで割り込み男を注意した。すると、その日から倉田家に対する嫌がらせが相次ぐようになる。花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれた。さらに、車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかった。執拗に続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、一家はストーカーとの対決を決意する。一方、出向先のナカノ電子部品でも、倉田は営業部長に不正の疑惑を抱いたことから窮地へと追い込まれていく。直木賞作家が“身近に潜む恐怖”を描く文庫オリジナル長編。
逆恨みから始まる「名もなき人」の恐怖
駅で注意したことから始まる嫌がらせの数々。
攻撃する側は単なるゲームでも被害に遭う側はたまったもんじゃない。
被害を受ける側は名前も分からない人から、いつ何をされるかもわからないから常に気を張ってないといけない。しかも警察はなかなか真剣になってくれないからなんとかしたいなら自分でなんとかするしかない。
被害者が動かないとどうすることもできないって厳しい社会。
それでも倉田一家が本人はともかく息子が勝気な性格で警察に頼らずとっちめてやるって性格なんで、読んでて気味悪いとは思っても悲壮感はなかった。
というか盗聴器見つけたときにそのストーカー以外からのと分かる盗聴器が出てきたことのほうが怖い。しかも贈り物に仕込まれてるとか。さらっと流されてたけどそっちの方が怖いよ。
家のことでいっぱいいっぱいのなに職場でもトラブルが
そしてこの物語は名無しさんの家への被害と平行して、職場でもトラブルに見舞われます。
とある職員の不正行為を見つけつものの、声の大きさと身内の仲の良さにより倉田の意見はことごとく跳ね返されてしまう。あくまで倉田は銀行から来た余所者で、信用度がまるで違うため相手にされない。
そうこうしているうちに、最初は軽い疑問だったのが徐々にシャレにならない損失を出るレベルまで大きくなっていき
犯人はわかってるのにどうしようもないってのは家族に降りかかってる事件とは対照的でした。
プライベートも仕事も追い込まれてしまう倉田ですが、どちらも最後にはスカッと解決しており前半が不安たっぷりだった分読後感は爽やか。正しいことをしている人が勝つってのは良いよね。
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