【小説感想】ミステリありハードボイルドありの恋愛小説 『ゾラ・一撃・さようなら Zola with a Blow and Goodbye/森博嗣』

本・漫画
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 古本屋でまだ読んだことない森作品があったので購入。

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本の情報・あらすじ

ゾラ・一撃・さようなら Zola with a Blow and Goodbye/森博嗣(集英社文庫)

気儘な探偵・頸城悦夫のもとに舞い込んだ、謎に満ちた美女からの依頼。それは「天使の演習」と呼ばれる古い美術品を、彼女の母のために取り戻すことだった。頸城は「天使の演習」の在処を探ろうと、引退した大物タレントに近づく。だが、彼は世界的に有名な伝説の殺し屋“ゾラ”に命を狙われていて……!?洒脱でスリリング、ちょっぴりほろ苦い新感覚のハードボイルド!

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ミステリありハードボイルドありの恋愛小説

面白かった。これまでのシリーズとは違う単体の作品だけど、作品の雰囲気や登場人物のセリフ回しの心地よさは変わらずさすがの一言。

複雑なトリックもなく、各章の最後から犯人を推測するのは難しくはなかったけど、そこに至る過程が良い。なんで森博嗣の書く女性陣はこうも魅力的なんだろうか。今まで読んだことのある作品に比べて恋愛要素が多かったのが一番の違いかな。ゾラは誰なのか、どうやって暗殺を行うのだろうか、頸城と真智子の恋愛の行方はなど気になることが多すぎて面白くて一気に読んでしまった。

まだ続きがありそうな感じで終わるのでその辺が消化不良になるかもしれん。自分はそれが良い感じに余韻を残してるので良いと思うけど。

他の方の感想を見ると単体の作品でありながらS&M、Vシリーズとのリンクがあるみたいで、それに気づけていたらもっと楽しく読めたと思うのでそれがちょっと悔しいなあ。「天使の演習」ってあれだったのかあ。全然気づかんかったわ。

思い出は、どれも無色だ。あとから色を塗って、綺麗にするか、それとも汚くするか、そのいずれかだろう。

「人間って凄い」僕は頷いた。「殺したいくらいの憎しみでも、いつかは消える。自分よりも大切だと思った愛だって、いつかは忘れてしまえる。ようするに、鈍感なんだよ」

作中の好きなセリフでした。

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