「プロジェクト・ヘイルメアリー」を読み終えました。
めっちゃ面白い。でも未読の人には何を言ってもネタバレになるのでおすすめしにくい。
とツイッターで絶賛されており、さらに作者が「火星の人」を書いた人だというので買ったのですが、
期待を大きく上回る面白さでした。
映画化が決定しているとのことですが、上下巻の分厚さとあの面白さを2時間程度の映画で表現できるとは到底思えないので、中途半端にネタバレを踏む前に原作を読んだほうが100倍楽しめると思います。
未読の人向けにどんな話かを書くと、
主人公が目を覚ますとそこは見知らぬ部屋、窓も何もなく部屋には自分の他には死体が2つあります。
自分の名前もここに至った経緯も何も思い出せない主人公は、科学の知識と徐々に思い出していく記憶を頼りに現状を把握していく、という話です。
表紙イラストや最初に宇宙船の構造について図解があるので、主人公がいる部屋は宇宙船なのかなということは読者にはわかるのですが、そこからは主人公と一緒に突き止めていきます。
なんのために宇宙船にいるのかがわかるともう止まらない。
ここからはネタバレありで感想書くよ
未読の方はここでストップ。ブログを読む前に本を買って読んでね。
ほんとこんなブログでネタバレ見てしまうより本読んだほうが何倍も価値があるので。
同じ著者の「火星の人」と同様、持ち前の科学知識で現状を打破していくのが面白い。
「火星の人」では1人取り残された火星から地球に帰るという目的があったのに対し、今作は主人公は何も覚えていないところから始まります。
ここはどこ?私は誰?状態から仮説と検証を重ねて自分がいる場所が宇宙船の中であることを突き止めていくのですが序盤でもう面白い。
宇宙船のなかにいるということがわかってもさらに何故?ってなります。
徐々に記憶を思い出していく主人公と同じ視点で読者はアストロファージとは何なのか?がわかってきます。アストロファージとは何か?そしてどうやって眼の前の問題をクリアするのか?のふたつの問題を並行して読み勧めていくので徐々に謎が解けていく感じがして面白い
そして旅の目的であるアストロファージの駆除。恒星の光を喰う生物という発想がすごい。かといってとんでも生物ではなくアストロファージの生態は科学知識で解明できるのがすごいよね。
たった1人宇宙船にいて人類の存続をかけたミッションに挑むグレース博士がミッションを遂行しなければという責任感よりも科学的好奇心が上回る人なので読んでてわくわくします。ほんと科学って面白い学問だよね。
そして何より面白かったのがロッキーとの出会い。
地球とは異なる環境で進化した知的生命体。姿形はもちろんのこと、コミュニケーションの方法(人類は言葉)すら違う生き物とどうやって協力するんだと思ったけど、すごい方法で解決していきました。フーリエ変換って大学のとき習ったなあ。
意思伝達ができるようになってからはロッキーの喋り方がかわいくて萌えキャラと化していましたね。
宇宙人との友情は時にコミカルでもあり心温まる感じでした。別れのときはほんと悲しかった。
そしてラストも面白かったです。普通あそこまでいったら万事うまくいきめでたしめでたしなのに、まさかそういうオチを持ってくるとは。
今年読んだ本のなかで一番面白かったです。
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