学園祭の準備もようやく終えてついに決戦の火ぶたが切って落とされる!
本の情報・あらすじ
RDG5 レッドデータガール 学園の一番長い日/荻原規子(角川文庫)
いよいよ始まった〈戦国学園祭〉。泉水子たち執行部は黒子の衣装で裏方に回る。一番の見せ場である八王子城の攻防に見立てた合戦ゲーム中、高柳たちが仕掛けてた罠に自分がはまってしまったことに気づいた泉水子は、怒りが抑えられなくなる。それは、もう誰にも止めることは出来ない事態となって……。ついに動き出した泉水子の運命、それは人類のどんな未来へ繋がっているのか!? 現代ファンタジーの最高傑作、RDGシリーズ第5巻!
勝つのは宗田陣営?高柳陣営?
散々引っ張ってきた学園祭。前の2巻を学園祭の準備巻にしてただけあり、泉水子たちは表では学園祭を滞りなく進行させるための黒子としていろいろと翻弄され、裏では高柳の策略に翻弄されるという大小様々な騒ぎが起こる巻。
全然関係ない生徒との絡みでも実は高柳陣営の動きだったり宗田陣営の動きだったり、高柳があからさまに怪しいかと思えば宗田姉弟も信用したいけど100%してはいけないような、と大変なことに。ただでさえ学園祭という一大イベントでてんやわんやのところに、それぞれの思惑が交錯するからもう大変。
高柳が仕掛ける側で泉水子や宗田たちが対処する側だからかもしれないが悉く後手に回ってしまう。そんな中ついに高柳の策略に嵌ってしまい、高柳に心を開いていく泉水子にどんどん不安になる。気をつけなければと思いつつも警戒心が働かない泉水子に対してどれだけ「深行ーー!!早く来てくれーー!!!」と思ったことか。
それにしても深行はこの巻かっこいいところばっかだな。真響の申し出に対しての回答とか、
「おまえさ……」 「俺が必要だって、言えよ」 (本文326頁)
から始まる泉水子との会話とか。このイケメンめ。多分初めて泉水子に対して見せた本音で思わずにやけてしまった。
高柳もまさかあんな姿になるとは、どんだけ悪態ついてもそんな姿から言われても怒りより先に憐れみしか出てこないよ。こいつは頭のいいバカなんだろうなー。これまでずっと上から目線の嫌みな敵で、直接へこまされるのかと思ってたがこんな仕打ちを受けるとは。
そしてラストで高柳や真響を追い越して一気に世界遺産候補へ。このままなったらBADENDしか見えない気がするがあと1巻でどうもっていくんだろうか。
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