感想文2冊目は1冊目と同じ森博嗣作品。
ただし別のシリーズの2冊目という順序バラバラです(笑)一応言い訳すると「すべてがFになる」は再読でこれは始めて読みました。
本の情報・あらすじ
迷宮百年の睡魔/森博嗣 (新潮文庫)
周囲の森が一夜にして海と化したという伝説をもつ島イル・サン・ジャック。22世紀の旅人ミチルとロイディがこの島で出会った「女王」は、かつて別の地に君臨した美しき人に生き写しだった―。王宮モン・ロゼで発見された首のない僧侶の死体、犯人と疑われたミチル、再び消えた海と出現した砂漠。謎に満ちた島を舞台に、宿命の絆で結ばれた「女王」とミチルの物語の代2章が始まる。
100年先の未来なのに閉鎖的な国家
22世紀という未来の舞台でありながらも訪れる都市は前時代的で、とてもじゃないが僕らの今居る現代よりも劣っています。
しかし逆にそれが物語全体に幻想的な雰囲気を出す要因になってます。話も一応殺人事件が起きますがミステリとして読むと挫折するので、SFかファンタジーとして読むのが吉。
あと必ず先に別の森作品を読んでおくことです。できれば刊行順に。
このシリーズが森作品初挑戦だと面白さ10分の1くらいになってしまいます。
ミチルとロイディのコミカルな会話
前作の「女王の百年密室」のときよりもミチルとロイディの会話が面白いです。
微妙にズレた受け答えをしてると思ったら急に核心をついてきたりとただの会話なのに読んでて面白い。
さらにそこに女王も加わるとすごい。とにかくすごい。
「あなたが生きていれば、あなた以外の誰かが、あなたに会いたいと思う。他人に、そう思わせるキーワードが、生きているということかしら」
真賀田四季はどこまで話に絡んでくるのか
これまでの森作品(少なくともS&Mと四季)を読んだ人にしかわからない面白さなんですが、絶対にこの世界には真賀田四季が絡んでます。
100年後の世界なので人間が生きてるわけないだろって思うかもしれませんが、真賀田博士ならあるいは…って森ミステリのファンなら思ってしまいます。
まだ全体図が見えてこないのでなんとも言えませんが、女王はクローンでまず間違いなんだろうなあ。
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