【ラノベ感想】夫婦から恋人へ『青春離婚/紅玉いづき』

本・漫画
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紅玉いづきさんの短編集。どれもほっこりします。漫画版も出てるのでそっちもおすすめ

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本の情報・あらすじ

青春離婚/紅玉いづき(星海社FICTIONS)

同じ名字に、同じクラス。

春に進学したばかりの八木商業高校で、偶然に出逢ってしまった“佐古野”郁美と“佐古野灯馬”。

すぐにクラスメイトから「夫婦」とはやしたてられるようになり、憂鬱な日々を過ごしていた郁美だったが、ある日、灯馬のアイデアでふたりは夫婦の秘密を共有することになる――。

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新しい時代のわたし達は、指先から恋をする。

紅玉いづきの作品は初期の人喰い三部作以来読んだことなかったけどレッドドラゴンで再び興味をもって購入。

表題作である「青春離婚」を含む短編三作が収録されている。どれも八木商業高校が舞台でtwitterやらアプリやらを通した男女の物語。

「青春離婚」

名字が同じ“佐古野”で入学当初から夫婦とからかわれることになる郁美と灯馬。二人はあるアプリを作り始めたことから仲良くなっていく…が、はじめから「夫婦」だった二人は友達→告白→恋人→プロポーズ→夫婦という過程を吹っ飛ばしていたため普通に仲を縮めていくことができない。普通の人とは違う二人の距離のもどかしさが読んでて面白かった。

「非公式恋愛」

twitterのbot制作者とそのフォロアーとの話。botは自動で応答をするプログラムだけどもそれを作ってる「中の人」は機械ではなく感情のある人間。多くの方にフォローされることに喜んだり、もっとみんなに認めてもらいたいと頑張ったり、いつも返事をくれるある人が気になったりと…。相手の人が「青春離婚」で出てくる人物でこう繋がるのかと驚いた。

「家族レシピ」

再婚する夫婦の子供たちが料理を投稿するアプリを通して仲良くなる話。料理好きでアプリ内でも上位ランカーの男の子と包丁もまともににぎれない女の子が織りなす物語。二人で並んで料理をする場面にほんわかした。家族になる方法は一つだけじゃない。アフターストーリーがすごく読みたい。

どれもスマホやネットといった今では欠かせないツールが重要な要素になっていてまさに現代の恋愛小説だった。指先で始まる恋。「二人だけの秘密」をそれぞれ持ちながらも、相手の気持ちがわからず悶々としている様子はまさに青春だなあと。

一番お気に入りの場面は「青春離婚」のバレンタインデーのところ。なんだよこの夫婦、にやけちまう。

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