【ラノベ感想】ソラの想いとアルフォンスの想い『空の彼方〈3〉/菱田愛日』

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ついに最終巻。

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本の情報・あらすじ

空の彼方〈3〉/菱田愛日(メディアワークス文庫)

シャイニーテラスに閉店の危機が――!?

 春。アルとソラは、トラマンテ通りで平穏な日々を送っていた。だが、突然事件は起きる。防具屋シャイニーテラスに営業停止命令が出されたのだ。それは、有力貴族であるアルの父が、息子を連れ戻すために出した警告だった。

 ソラは店のために自由を捨てる必要はないと言うが、アルは店とソラを守るため、父とひとつの“賭け”をする。そして、長い旅に出ることになるのだが――。

 不思議な防具屋を舞台にした心洗われるファンタジー、感動の完結編!

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ソラの想いとアルフォンスの想い

過去のことから逃げるのではなく武器にして任務に立ち向かったアル。今回も貴族である過去と傭兵である現在とに向き合う話。前巻の終わりにアルがソラに渡した月霊草が表紙に描かれていて、物語の中でも重要な役割を担っている。

話の落ちはベタだったけど、そこに至るまでのアルとソラの想い、そしてシャイニーテラスに集い二人を応援する人たちの想いがとても綺麗。マリアベルと話をしていて、ソラが自分の想いを花に託すところが好き。

全3巻と短く、二人の後日談は?とか他の人たちの恋路はどうなったの?とかいろいろ続きが知りたいけどそれは脳内補完で。結局アルの周りに悪者はおらず綺麗に物語が終わってるのでこれ以上は無粋なんだろう。でもマリアベルの恋の行方はどうなったのか知りたかった。アルと旅をすることで彼の気持ちにも変化があっただろうしなあ。いくらマリアベルが納得してても報われない恋は切ない。

めっちゃ面白いってわけではなかったけど、毒がなくて読んでて沁みるような物語だった。物足りん部分もあるがたまにはこういった物語もありだと思う。

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