始めて同人の小説に手を出してみました。薄っぺらい漫画ばっかりのなか、一際異彩を放つ分厚い小説。本好きとしてはなんとも興味をそそられる1冊です。
本の情報・あらすじ
うつつのゆめ/四面楚歌×いよかん
世の中の不思議を探索するオカルトサークル:秘封倶楽部。たった二人のメンバーである蓮子とメリーは今日も仲良く不思議探索をしていたが、ある日メリーがいなくなってしまう。唯一の手がかりである次の探索場所であるとある神社に向かった蓮子はそこで魔法使い:霧雨魔理沙と出逢う。が、彼女は何故かすべてを諦めているような状態で役に立たない。蓮子はメリーを探し出すため単身で様々な世界へと旅をする。彼女がいる世界、向かう世界は夢なのか現(うつつ)なのか…。
うつつのゆめ 上下巻電子版(四面楚歌/いよかん。)の通販・購入はメロンブックス | メロンブックス
東方キャラが惜しげもなく出てくる同人小説
2011年に上下巻で出たものが、一冊になって再販された作品。上下巻だったこともありページは600頁を超え、しかも文章は二段構成というかなりのボリュームの作品。小説と漫画が合わさっており、プロローグとエピローグは漫画となっている。
前半は蓮子が様々な夢の世界を旅しながらメリーのことを探し、後半は魔理沙が自分と向き合いながら真実に向かっていく話となっている。
夢の世界を渡り歩くため数多くの東方キャラクターが登場する。レミリアや妖夢・さとりなどの有名キャラだけでなく書籍キャラクターの阿求や旧作のキャラクターも出てくる。そのためそこまで詳しくない自分は知らない名前が出てくるたびにニコニコ大百科で調べることに(笑)
分厚いページ数ながらも豊富なキャラクターに焦点をあて、そしてどの話でも激しいドンパチが繰り広げられるので読んでて飽きない。
そんな新旧、ゲーム書籍問わず出てくる話だが、この世界には
博 麗 霊 夢 が い な い
表紙にどでかく載ってるから全く出てこないというわけではないけれど。
そしてこの話に出てくるキャラクターは魔理沙をはじめ、何かを諦め絶望しているものが多い。自分の運命や世界に対して諦めどうでもよくなっている連中がメリーと会うことを諦めない蓮子と出会うことで徐々に前を向く姿は読んでて面白い。
物語の後半の主人公である魔理沙のさとりに抉られたトラウマからの復活や、運命を見る能力だからこそその運命に絶望してたレミリアが蓮子や咲夜との出会いによって生きる希望を見出すところとか特に。
ラストの設定というか話のもっていきかたは面白い。龍神をアレに見立てるとか斬新(だと思う)。
夢と現に変えるために奮闘する蓮子や魔理沙たちが目指した世界とは…。
初めて二次創作の小説読んでみたけど想像以上に良かった。他にも本あるみたいなので読んでみたいが、委託してんのあんのかなこれでさえ2011年の再録本やし。
とりあえずこの本はメロンブックスにて再販されてます→http://shop.melonbooks.co.jp/shop/sp_212001071760_iyokan_ututusin.php
2016年6月12日追記:今は紙書籍はなくなり電子版が出ています
うつつのゆめ 上下巻電子版(四面楚歌/いよかん。)の通販・購入はメロンブックス | メロンブックス
そして読み終わったあとにPVを発見。
これは「うつつのゆめ」と同じサークルの作品「現夢」のPV
こっちは「うつつのゆめ」のみのPVっぽい。未完成でニコ動でしか見れんけどかっこよすぎ。
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