【CD感想】夏の終わりに打ち上がる花火『Soul Flower/魂音泉』

音楽
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買ってきました、夏の魂音泉。

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C86魂音泉の新譜

魂音泉公式HP

今回のアルバムを聴いたイメージは夏の終わり。お祭りソングを始めテンション上がる曲もあるけど、夏の終わりの夜に「この夏も楽しかったなあ」とかいろいろな思いに耽ってるような印象がしました。

それはこのアルバムの中の“Soul Flower”“Apologize”“Supernova”といった哀愁を感じさせる曲が多かったからだと思います。

表題曲の“Soul Flower”はこのアルバムのintro。ピアノの旋律が綺麗でまさに夏の終わり。個人的にはintroじゃなくてoutroに持ってきてほしい曲でした。

好きな曲は“Apologize”と“大輪の魂”

“Apologize”はWWWでロモさんがショーケースのラストにやった曲。こちらも切ないトラックにロモさんのラップが相性抜群。テンション上がるようなハイテンポなのより、こういうがっつり聴かせる曲の方がロモさんのラップに合っててかっこいいです。フローの強弱とかもまた生で聴きたい。

“大輪の魂”は打って変わってライブで上がること間違いなしの曲。こちらもWWWでやってました。本館に久しぶりに参加した司芭扶さんとAOさんによる「金魚掬いとドン花火」に続くお祭り曲第2弾。これは楽しい。

捻じり鉢巻き緑の法被のお祭り男が本領発揮してる。司芭扶さんとAOさんがガンガン上げていく中たまちゃんの歌声が響くのがアクセントになってます。

そしてtwitterにてytrさんが「幻想河童行進曲」の歌詞について言及してたのが興味深かったのでちょっと調べてみました。

タイトル通りこの曲には、河童のにとりのテーマ「芥川龍之介の河童 ~Candid Friend」が原曲の一つとして使われています。まず原曲から。芥川龍之介とはもちろんあの芥川龍之介であり、彼の代表的短編に「河童」というものがあります。

どうか Kappa と発音してください→短編「河童」の副題が「どうか Kappa と発音してください。」

カンデイイド→芥川龍之介が「河童」同様に遺した「或阿呆の一生」に登場する文節に“彼は彼自身の他の一面、――冷(ひやや)かな理智に富んだ一面に近い 「カンデイイド」 の哲学者に近づいて行つた。”といった文節がある。

二十三号→「河童」は“精神病患者23号が、3年前に迷い込んだ河童の国について独白する。”というストーリーらしい。(読んだことないです)

古池や河童飛び込む水の音→かの有名な松尾芭蕉の一句「古池や蛙飛びこむ水の音」。

あとはロモさんの同じく「芥川龍之介の河童 ~Candid Friend」を原曲とした「Suicidal #23」のhookまるまる引用してます。そういえばロモさんのこのタイトルも面白い。“Suicidal”は“自殺の”って意味で(芥川龍之介は「河童」を書いた年に服毒自殺をしている)、#23はこの二十三号のことを指してるのでは。

普段は流して聴くことが多いのでこんなに歌詞を読み込むことはあまりないのですが、こうやってみてみると色んな所から引用したり影響受けて歌詞書いてるのがわかります。

わかる人にはニヤっとするんでしょうね。自分はそこまで広い知識ないですが、たまにはこうやって調べてみるのもいいかも。

まあそんな細かいこと考えんでも「魂音泉は最強の壁サー」ってことだけわかって彼らの音楽を楽しめればそれで十分ですけどね!

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