【同人誌感想】失っても残るものと新たに得られるもの『Daydream Believer's/一支國幻想同好会』

本・漫画
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去年の紅楼夢で頒布された完熟オレンジさん・アインさんの二人からなる「一支國幻想同好会」のレイマリ小説です。

今回の紅楼夢で買うことができたので購入。

ちなみにさらに一年前(2014年紅楼夢)の作品の感想がこちら。サークル処女だった作らしい。

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本の詳細・あらすじ

Daydream Believer’s/一支國幻想同好会

“介護”をテーマとした小説2本立て。

博麗の巫女の役割を終え、次第に体の機能を失っていく霊夢の運命に抗おうと魔理沙が奮闘する「日輪より掠めし者」

不慮の事故で首から下の自由を失った魔理沙が霊夢に介護される「彼女の隣で生きてみた」の2作品を収録。

うーん、テーマが重い(笑)

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対照的な小説

簡単に言うと1つ目はファンタジー小説で、2つ目はリアルな小説でした。

どちらも魔理沙視点で話が進むのですが、どうしようもない現実を前に「そんなもんしったことか」と奮闘する魔理沙と、現実から目をそらさず前を向いていこうとする魔理沙というベクトルの全然違うお話でどちらも楽しめました。

イチャイチャラブラブなレイマリもいいけど、こういったのも想いあってるのがわかっていいよね。

個人的にはアインさんのが好きな話でした。

日輪より掠めし者/完熟オレンジ

「博麗の巫女が次の世代に入れ替わる際、先代は五感を失い神の供物となる」という運命に抗おうと奮闘する魔理沙。

少女であることが条件って博麗の巫女の交代サイクル早すぎやん…。

周りの人だけでなく本人も「博麗の巫女」とはこういうものだと受け入れているなか、「博麗霊夢」個人を想う魔理沙の葛藤と決意、行動が熱い。

五感を失っても会話が成立する霊夢と魔理沙や、別れのキス、そして諦めかけた魔理沙を次代の巫女が叱咤するところなど胸が熱くなる場面が多かった。

最初は寓話だと思ってたクジラがほんとに神の使いとして登場するのはファンタジーっぽくていいよね。

終盤の「力が欲しいか?」「力が欲しいなら・・・くれてやるっ!」のところはARMSだこれーって思いながら読んでました(笑)

彼女の隣で生きてみた/アイン

不慮の事故で首から下が動かなくなった魔理沙。

序盤は1人じゃ何もできなくなった魔理沙の葛藤に読んでて苦しくなりますが、霊夢をはじめとした周りの人たちの優しさや次第に今の自分を受け入れていくので最後は心あったまります。

本業が医療に関わる仕事の人らしく、細かいしリアル。

動かなくても誰かが動かして筋力を維持しなければならないとか、床ずれ防止にクッションで体を固定するとか、寝たきりの人が姿勢を起こすと血液が一気に下がって立ちくらみを起こすとか。

ベッドから車椅子に移す説明とかイラストが着けば普通に使えると思う。

リクライニングのベッド作ったり車椅子作ったりする河童の技術力がすげえ(笑)

なんやかんやとみんなが魔理沙の介護に協力してくれて、こうなってみて初めてみんなの優しさを意識する魔理沙。

魔理沙自身の成長もそうだけど、皆が優しくするなか唯一叱咤する紫の存在や、「可能な限り無理して頑張れ」とリハビリしながら励ます美鈴などサブキャラが光ってました。

同じテーマながらも真逆の展開をみせた2作品でしたがレイマリ尊いってとこは共通してました。

王道だけどレイマリいいよレイマリ。

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