「人の縁を繋ぐ」という本当に野崎まど作品か!?って疑うくらいハートフルな『なにかのご縁』
シリーズ第2段も読みました。
今回はゆかりくんとは別の縁が見える人と兎のコンビが出てきてわちゃわちゃ楽しく、そしてちょっぴり泣けるお話でした。
本の詳細・あらすじ
なにかのご縁 (2) ゆかりくん、碧い瞳と縁を追う/野﨑まど (メディアワークス文庫)
春が訪れて、縁結びに大忙しのゆかりくんとうさぎさん。何度かストーカーに間違えられつつも、順調に人と人との縁を繋いでいきます。
しかし、そんな彼らの前に、碧い目をした留学生の少年・ローランと、もふもふの茶色いうさぎ・ユリシーズが現れました。
フランスからはるばるやってきたその一人と一匹は、縁結びの修行のため、ゆかりくん&うさぎさんコンビと『縁結び勝負』をしたいというのです。んとうさぎさんは新たな『ご縁』の騒動に巻き込まれていき……。人と人との心をつなぐ物語、待望の第2弾。
縁結びのライバル:ローランが登場!!
相も変わらずうさぎさんのお手伝いをして誰かの縁を結んでいたゆかりくん。
そんなゆかりくんの元に英国貴族の留学生:ローランとうさぎのユリシーズが現れます。
高校生で生意気なローランと彼を持ち上げまくるユリシーズ。彼らは縁結びの修行中で、2巻ではゆかりくんとローランの縁結び勝負が繰り広げられます。
まあゆかりくんは1巻同様に気だるげなキャラなので、勝負をけしかけたローラン一人(+一匹)だけ燃えていましたが。
縁を見る力に関してはまだまだ未熟なローランですが、貴族だからか物怖じしない発言と行動が物語を動かしていくのが面白い。
ゆかりくんの場合は基本乗り気じゃないのでそれに対になる感じのキャラクターでした。
「人と人」ではなく「人と何か」の縁
1巻は恋人だったり友人だったり親子だったりと、人と人を繋ぐ縁を結んでいましたが、2巻では縁の解釈が少し広くなっています。
例えば「自分の夢」との縁
子供のころからの憧れでずっとそこに向かって努力していたり、何かの拍子で始めた趣味がそのまま仕事になったりと、
こういう自分の好きなモノとかも自分と縁があったから、多くの中からそれを選んだって考えられます。
でもそれが必ず結ばれるとは限りません。
野球選手を夢見てた少年が全員野球と縁が結ばれるなんてことはありえません。
どこかでその縁を断ち切って新しい縁を見つけなければならない。
そんなちょっぴり苦いお話も2巻の中にはありました。
人と人を繋ぐ縁ではないけど、生きてく上でみんな持ってる何かとつながってる縁。
縁を切る事は悲しいけどそれでも読んだ後にはほっこりする。
2作目も心温まるお話でした。これはシリーズ化されるのかなあ。
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