アインナッシュの落とし仔に突っ込むというまさかの展開で終えた上巻。
ウェイバーが倒れ、ラストには彼のことを知る謎の人物も現れどう展開していくのか気になったまま下巻を読み始めました。
そしたらもう止まらない。めっちゃ面白かったです。
本の詳細・あらすじ
ロード・エルメロイII世の事件簿 5 case.魔眼蒐集列車(下) /三田誠(TYPE-MOON BOOKS)
魔眼蒐集列車で起きた殺人事件は、誰も思いがけない方向へと展開した。新たな戦士の襲撃によってロード・エルメロイII世は倒れ、かの列車もまた大いなる脅威に遭遇する。この危地を脱するため、グレイは過去視の魔眼を持つ代行者カラボー、スパイを自称する少女イヴェットと協力することになるが……。暴かれる魔眼。謎の英霊と死徒の落とし子。天体科の一族たるオルガマリーが気づいた秘密とは。複雑にもつれあった事件の中で、ついに魔眼オークションが開催される――!
熱い展開が止まらない!
先日読んだ上巻の倍くらいの厚さがあります(笑)
それもそのはず、この下巻では
アインナッシュの仔に突っ込むわ、魔眼オークションが始まるわ、殺人事件の解決が待ってるわ、さらにはあのサーヴァントとの対決も待ってるわ
と逆にこれくらいのページ数によく収めたなってくらい内容が濃いです。
激闘⇒オークションの金と策略⇒推理パート⇒激闘
と息つく暇なく怒号の展開でした。
戦闘シーンはもちろんのこと、互いの意地と策略を賭けたオークションが熱い。
破格の値段がつけられて競り落とされていく魔眼たち。
互いの懐具合を考えながら無理をして金を積み上げていく手に汗握る勝負が面白かったです。
メルヴィンがええキャラしてる
ウェイバーの親友で、彼が第4次聖杯戦争へ行くための資金を提供したメルヴィンという吐血調律師がすごいいいキャラでした。
時計塔に戻ってから「エルメロイⅡ世」という呼び名が定着してしまったなか、唯一彼のことを「ウェイバー」と呼ぶメルヴィン。
はちゃめちゃで人の不幸を喜ぶような性格をしてますがどこか憎めない。
メルヴィンがなぜ「ウェイバー」と呼ぶのかがエピローグで判明するのですがじーんときました。
みんなが時計塔のロードとしてしか見ずにエルメロイ二世と呼ぶ中、メルヴィンだけがウェイバーのことをすべてを見てウェイバーと呼ぶんだな、と。
このシリーズのラスボスが登場!
ウェイバーの最も大事な聖遺物を用いて召喚された、イスカンダルの腹心「ヘファイスティオン」
冬木とはかけ離れたロンドンの地で召喚されたサーヴァント。
自らのクラスではなくいきなり真名を名乗ったこのサーヴァントと、この戦士を従えるマスターがウェイバーとグレイが打倒すべき相手になります。
FGOとかアポクリファとかのあとだと、「真名は隠すものだ」っていう聖杯戦争の鉄則を忘れそうになるけど、真名をいきなり名乗るっておかしかったんだよね。
「あのサーヴァントのクラスはなんなんだ?」
って疑問を主人公勢がもつまで何の違和感もありませんでした。
敵と再び対峙したウェイバーが
「自分に才能がないことはわかっている。それでもお前を倒せたとあらば、それはイスカンダルはきっと大いに笑ってくれるだろう」(意訳 きちんとしたセリフは本編読んでね)
と啖呵をきったところは震えました。
イスカンダルの臣下になりたいと願ったあの日から、自分に才能がないことを嘆きそれでもあきらめず努力をしてきたウェイバーがようやくイスカンダルに誇れることを見つけた。
とはいえウェイバー個人の実力ではサーヴァントはおろかそのマスターでさえ歯が立ちません。
でもグレイをはじめとするエルメロイ教室のみんなと手を合わせれば…。
倒すべき敵を見つけたことで物語も後半戦。
シリーズ全体でどれくらいの長さを想定しているのかわかりませんが今後が楽しみです。
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