【薬】ランタス レベミル トレシーバ 、時効型インスリン製剤の違いは何なのか?

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持効型インスリン注射である『ランタス』『レベミル』『トレシーバ』

どれも「基礎インスリンを維持するために使われる」としか認識がないので、具体的に何が違うのかをまとめてみました。

そもそもインスリン製剤とは?

まずはおさらい。

私たちの体を動かすにはエネルギー源であるブドウ糖(グルコース)が必要です。特に脳は通常ブドウ糖以外のエネルギーを利用できません。

体中の細胞は全身を流れる血液からブドウ糖を補給しています。血液中のブドウ糖の量は多すぎても少なすぎても体に毒なので、健康な人はその量が一定になるように様々なホルモンで調節されています。(血糖値の正常値は70-110mg/dL)

インスリンはそのの中で唯一血糖値を下げる働きをするホルモンです。

糖尿病とはこの血糖値の調節がうまくいかずに血糖値が高いままを維持している病気です。1型と2型に分けられますがどちらもインスリンが大きく関わります。

1型糖尿病は自己免疫や遺伝的要因により幼少のころからインスリンが生成できてない病気です。体内でインスリンが作れないため注射によりインスリンを補充する必要があります。

インスリン製剤が発達して今では操作が簡単で注射の痛みもほとんど感じないようになっており、患者んさんの負担もだいぶ減っています。

2型糖尿病はいわゆる生活習慣病が原因の糖尿病です。遺伝素因もありますが基本的には肥満・食事の偏りなどの日常生活が乱れていることが原因です。治療もまずは食事・運動をしてそれでも改善しない場合は飲み薬です。インスリン製剤は最終手段になります。

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インスリン製剤の種類

インスリンは体内では血糖値を維持するために24時間分泌されています(基礎インスリン)。それに加えて食事によって血糖値が大きく上昇するときはそれを抑えるために追加で分泌されます。

インスリン注射もそれに合わせて ①食後の血糖値を抑える(超)速攻型 ②基礎インスリンを補充する持続型 に大きく分けられます(他に中間や混合もあります)

持続型インスリンの違い

さて本題、持続型インスリン製剤である『ランタス』『レベミル』『トレシーバ』の違いを比較していきます。

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薬価

お金も患者さんにとっては大事なことです。2020年7月現在それぞれの薬価は

ランタスXR注ソロスター300単位…2787円

レベミル注フレックスペン300単位…2423円

トレシーバ注フレックスタッチ300単位…2438円

ランタスは後発品発売と同時に高性能のランタスXR注が発売されました。後発品は薬価が低いですが、今回比べる3つだけを見ると気にするほどの薬価差はありません。患者さんの負担がこれの3割以下なのでさらに差はなくなります。

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用法・用量

格添付文書を見ると用法用量はざっとこんな感じになります

ランタスXR注ソロスター300単位…初期は1日1回4~20単位を皮下注射するが、ときに他のインスリン製剤を併用することがある。注射時刻は毎日一定とする。投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて増減する。なお、その他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4~80単位である。

レベミル注フレックスペン300単位…初期は1日1回で夕食前又は就寝前のどちらか。投与回数を1日2回にする場合は朝食前及び夕食前、又は朝食前及び就寝前に投与する。初期は4~20単位を皮下注射だが適宜増減可

トレシーバ注フレックスタッチ300単位…初期は1日1回4~20単位を皮下注射する。注射時刻は毎日一定とする。投与量は患者の状態に応じて適宜増減可

これを見てわかるようにレベミルは唯一1日2回投与することができます。1回では変動がある方も使えますね。

ランタスXR注やトレシーバは「1日1回で時刻は一定」とあるだけで時間についての指定がありません。朝や就寝前が難しい方は自分が確実に打てる時間を設定することができます。

作用時間

持続型といっても投与してどれくらいで効き始めるのかどれくらい効いているのかは気になるところです。作用持続時間は次のようになります。

ランタスXR注ソロスター300単位 約24時間

レベミル注フレックスペン300単位 約24時間

トレシーバ注フレックスタッチ300単位 約42時間

こうしてみるとトレシーバが圧倒的に長く効いてます。

添付文書によるとトレシーバは投与間隔を24時間毎ではなく、36時間⇒8時間⇒36時間⇒8時間⇒…と変動させた場合でも継続した効果が得られたそうです。

これはもし注射を打ち忘れた場合でも効果が続いているということなので非常にありがたいです。

まとめ

僕がお話をした医師はトレシーバが一番ピークがゆるやかで長く効くと仰られていましたが、そこは患者さんのコンプライアンスにもよるのかと思います。

確かに打つ時間がずれてしまう人だとトレシーバのほうがインスリン濃度のブレはないですが、ランタスもXRになったことで安定性がより増しましたのでそこまで気にするほどなのかなという気にもなったり。

その辺はもっと勉強しないといけないですね。

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