ついにきましたグリムガル最新刊。
前回の衝撃的な展開からどう来るかと思いましたがそれぞれを深める巻になりましたね。
ただ挿絵がこれまでと明らかに変わった(悪い方に)。それだけは非常に残念。
本の詳細・あらすじ
灰と幻想のグリムガル level.9 ここにいる今、遥か遠くへ/十文字青 (オーバーラップ文庫)
何度おなじ過ちを犯せば……おれたちは……。
ジャンボという名のオーク率いるフォルガンとの戦いが混迷を極める最中、ハルヒロたちはかつてない危機を迎えていた。
ランタのフォルガンへの寝返り。そして、一人また一人と散り散りになっていく過酷な撤退戦。
パーティのみんなの安否がわからないまま、ハルヒロたちは自分たちにとってパーティの仲間が、どんな存在だったかを再認識していく。
失いそうになってはじめて知るそれを、ハルヒロたちは本当に失ってしまうのか、それとも――。
霧深き千の峡谷(サウザンバレー)で、“孤独”という敵と相まみえる時、灰の中から生まれし冒険譚は新たな一幕を紡ぎはじめる。
敵本拠地からの撤退戦
前巻でランタと本気で殺し合ってメリイを助け出したハルヒロ。
でも「無事でよかった!!」「助けてくれてありがとう!!」で終わるかというとそうは問屋が卸さない。
メリイと助けたと言ってもここは敵の本拠地の真っただ中。そこから無事に帰れるかどうかは別問題なのである。
ダンジョンクリアしたからって入り口までワープできるわけがない。
数の暴力に対して、ハルヒロとメリイは這う這うの体で逃げようとし、別行動のクザク達もバラバラになっていく。
仲間を救うために誰かが犠牲になるかと思いました。本の帯が「何度おなじ過ちを犯せば…」とか不吉なこと書いてあるし
限界まで出し切っての撤退戦、ハラハラドキドキです。
とはいっても本筋は全然進んじゃいませんが…。ノープランで書いてるってあとがきで書いてますがぐだぐだにならんか心配。
パーティメンバーの掘り下げ巻
この巻を表すならこれにつきるかと。
バラバラになってしまうハルヒロ一行。前の巻もそうでしたが、そうなると必然的にそれぞれの視点で物語が進むわけですが、
クザクとユメの現実世界の記憶が読めたり、シホル、メリイ、そしてランタの真意が明らかになったのは良かった。
シホルほんと最初の方と比べると強くなったよね。典型的ないじめられっ子な性格だったのに今はパーティの中でも冷静に周りを見れるし火力なら一番になってるんじゃないだろうか。
メリイは一気に子供っぽくなった。ニャアが可愛すぎて触りたいけど言えない、ハルヒロに迫るセトラに対して嫉妬するも口にだせず仲間であってそれ以上でも以下でもないとか不器用で可愛い。どう読んでもハルヒロのことめっちゃ好きとしか読み取れんけど(笑)
最初は並んで歩きたいとか思ってたのに最後は後ろでいいになってたのは笑った。挫けるの早すぎやろ。
ただまあハルヒロはそんなモテなくてもいいというか、別にラブコメが読みたくて買ってるわけじゃないからここはそんな広げんでもとは思う。オルタナに戻ったらミモリンもいるし。
そして今一番気になるランタ。
ランタはちゃんと考えてたんだよ。ハルヒロのことを友達とは思ってなくても自分とは合わないってわかってても信頼してて、自分の考えを聞かせてそれで相手の意見を聞きたくて、でもそれができなくて…。
本気だったけど殺すつもりはなかったランタに対して、メリイが制止しなかったら顔面に武器を突き立てていたハルヒロ。そりゃショックも受けますわ。
そしてまさかのラストの行動。この展開は笑った。さすが暗黒騎士。
ロックたちがどうなったのかわからんし、オルタナに帰れるのはいつになることやら。
新作書き始めるとか何個並行して書くんだろう。先を考えてないとかネタ切れを疑うし正直不安でしかないけどほんとぐだらんようにしてほしいです。
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