今まで読んだことのない作家でしたが、タイトルと表紙のインパクトで手に取ってしまいました。
あらすじの「科学ミステリ」という単語に惹かれ森博嗣のようなのかなーとか思ったら予想以上に複雑難解なお話でした。
本の詳細・あらすじ
デカルトの密室/瀬名 秀明 (新潮文庫)
ヒト型ロボットが実用化された社会。ロボット学者の祐輔と進化心理学者の玲奈は、ロボットのケンイチと共に暮らしている。三人が出席した人工知能のコンテストで起こった事件から、悪夢のようなできごとは始まった。連続する殺人と、その背後に見え隠れする怜悧な意思が、三人を異世界へ引き寄せる――。人間と機械の境界は何か、機械は心を持つのか。未来へ問いかける科学ミステリ。
哲学に興味ないと難しいかも…
「ロボットが自分で学習するようになったらロボットの認識する自分と、我々が認識する自分とで違いはあるのか」
「そもそも何をもって自分は自分だと思うのか」
「自分の「私」と他者の「私」は意味が違う なぜ1つの肉体には1つの私しかいないのか」
みたいな問いが延々と続き、その合間に殺人事件が起きます。
とにかく難しい。多分哲学を齧ったことある人なら登場人物たちが繰り広げる問答にもついていけるのだろうが、
全く縁のなかった僕には難しかったです。
まず主人公の祐輔と彼が作った自律型ロボット「ケンイチ」の両方の第一人称が「ぼく」で、
さらに場面がころころ変わるため、今はどちらの見てる景色なのかを常に考えながら読まないといけません。
正直すっごいまどろっこしいなあ…ってなってページを捲る手が止まりかけていたんですが、読み終わった後の解説によるとこれは作中にも出てきた「チューリングテスト」を小説に組み込んでいたのだとか。
「チューリングテスト」とはAIがどれだけ人間と同じ思考ができるかを測るテストで、人間とAIの回答者を用意し、質問者がそれぞれとテキストで会話することでどちらがAIかを当てるテストらしいです。
うーん難しい。
さらにロボット(AI)工学の問題にも切り込んでいて初めて知ることも多くその辺は面白かったです。
久しぶりに娯楽の読書じゃなくて頭を使う読書をした気がします。
フランシーヌ・オハラの狙いとは
作中で登場したAI技術の天才:フランシーヌ・オハラ
自分が殺された映像を世界に発信し、ネットの世界で成長するプログラムを解き放った彼女の意図は何なのか、がこのお話の謎のひとつにあります。
自分とうり二つのロボットを携え、自身も幼少期から感情を表に出さない人形のような少女だったフランシーヌ・オハラ
主人公とは過去にも因縁があり、すべてが彼女の手のひらの上だった…。
て話だったんですが、なんかもう感想をうまく書けるほど物語を理解で来てません(笑)
読んでて何度も「お前ら頼むから日本語喋ってくれ」って思いましたもん。
ある程度専門分野の知識があるのが前提な小説だったように思います。
多分好きな人はたまらなく好きなんじゃないでしょうか。でも僕には難しすぎて合わなかったなあ…。
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