石田衣良って有名な作家ですけどボクは片手で数えるくらいしか読んだことなかったので、久しぶりに手を出してみました。
デビュー作で連続ドラマ化もした『池袋ウエストゲートパーク』
やれやれ系とまではいかないけど、1歩引いたマコトのクールな雰囲気が印象的でした。
本の詳細・あらすじ
池袋ウエストゲートパーク/石田衣良 (文春文庫)
ミステリーの「今」を読みたければ、池袋を読め。刺す少年、消える少女、潰しあうギャング団……命がけのストリートを軽やかに疾走する若者たちの現在を、クールに鮮烈に描く大人気シリーズ第一作。
青春小説の爽快さとクライムノヴェルの危険さをハイブリッドした連続ドラマ化話題作にして、日本ミステリ―連作の傑作。解説・池上冬樹
池袋で起こる様々な事件
タイトル通り、この物語は東京の池袋で起こります。
池袋にはヤクザがいて、若者たちが暴れるギャング団があって、風俗があってと荒んでいます。
登場人物たちはみんなどこかでドロップアウトしたような人物ばかり。
主人公のマコトは実家の青果店を手伝いながらぼーっと過ごしてます。
中学のころいじめられてヤクザになった人。
優等生だったけど引きこもりになった人。
ギャングのトップ。
無線オタク。
不法滞在の外人の彼を持ち風俗店で働く人。
いろんな人が出てきます。彼らは人生を謳歌しているのかは分かりませんが、思い通りにならなくてもムカつくことがあっても頑張って生きているのが伝わってきます。
サルがなんか一番好きなキャラでした。
クールなマコトの一人称でサクサク進む物語
この作品はマコトの一人称で進んでいきます。
慣れない人には読みづらいかもしれませんが、文章のリズムが独特でした。
主人公のマコトは毎回もめ事に巻き込まれたり解決してくれと頼まれたりして関わるのですが、マコト自身が熱い性格ではなく、どちらかというと冷めた性格で、誰かが刺されても、暴力沙汰が起きても淡々と話が進みます。
しかし感情が乏しいというわけではなく、淡々と進みつつも時には涙を流したり怒りをぶつけたりと、中身は熱いです。
このギャップがかっこいい。作中ではギャング団に属していないもののみんなに一目置かれる存在だったのがわかります。
そして話が進むにつれて、クラシックに興味を盛ったり読書に興味を持ったりと多趣味になっていところも地味に好きでした。
サクサク読めて面白いので読書初心者にもお勧めできる小説です。
シリーズものになっていて昨年で12巻まで出ているので少しずつ読んでいこうと思います。
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